無意識日記々

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タイトルトラックのリリースパターン

ニューアルバム『BADモード』にはタイトルトラック『BADモード』が存在し、そのミュージック・ビデオまでが制作されているという。そりゃもうこの曲がアルバムの顔になると期待されるわな。

ということでちょいと今までのヒカルのタイトルトラックの歴史を振り返っておこう。1999年の1stアルバム『First Love』のタイトルトラックは勿論『First Love』で、宇多田ヒカルといえばこの曲と誰しもが思う代表曲中の代表曲だが、意外にもシングル盤はミリオンセラーになっていない。前後のシングル曲4曲は全部ミリオンなのに。これは、この曲のシングルがアルバムからのシングルカットだった為だ。アルバムの発売が1999年3月10日でシングル盤の発売が4月28日だった。もうみんなアルバムを買って持っていた為シングルを買う必要が無かったのだ。しかしデイビッド・サンボーンのサックスは一聴の価値があるから持っておいて損はなかったぞ?

2001年の2ndアルバム『Distance』のタイトルトラック『DISTANCE』も当時1stの『First Love』同様アルバム発売後にシングルカットされるだろうと予想されていた。それだけ曲が素晴らしかったからだが、現実には『FINAL DISTANCE』というバラード・バージョンに生まれ変わってのシングルカットとなったのだった。『FINAL DISTANCE』がそのまま3rdアルバムに収録されたのも大胆だったな。

こんな凄い曲があったらアルバムの印象これで決まっちゃうじゃないのと思われたのだが続く3rdアルバムのタイトルトラック『Deep River』がこれまた名曲でな…! アルバムの雰囲気は堂々とこちらが中心となっていた。その威風からやはりこれもまたシングルカットされるだろうと思われたのだが今度はヒカルが体調不良に見舞われて活動を停止してしまう。だが、シングルカットの予定があったからなのかこの『Deep River』にはちゃんとプロモーション・ビデオが制作されて『UH3+』に収録されているのだった。

2006年の『ULTRA BLUE』には“準タイトルトラック”ともいうべき『BLUE』が収録されていたが、この時はシングルカットもPV制作も無かった。理由は単純で、アルバム発売後すぐさま全国ツアーに突入する日程だったからだ。『DISTANCE』が『FINAL DISTANCE』に生まれ変わったみたいに『BLUE』という曲もシングルカットされて『ULTRA BLUE』に生まれ変わるんじゃないかと仄かに期待していたんだがそれもなく。…いや、これからまだあるかもしれないけどな!

2008年の『HEART STATION』ではここで初めてタイトルトラックがアルバム発売前にリリースされる展開をみせる。そして2016年の『Fantôme』にはタイトルトラックが存在せず、2018年の『初恋』では『HEART STATION』同様アルバム発売直前に楽曲がリリースされていた。

斯様にタイトルトラックの扱いはアルバム毎に異なるが、基本的にはアルバム発売前後にアルバムを象徴する楽曲として丁重に扱われている印象だ。「看板に偽りなし」ということですね。

果たして『BADモード』はどのパターンになるのだろうか? 『First Love』や『Deep River』のように、アルバム発売後にタイアップで取り上げられたりミュージック・ビデオが公開されたり(つまり、配信スタートからCD発売までの間に、だわな)するのか、それとも『HEART STATION』や『初恋』のようにアルバム発売前に(今回なら1月19日より早く)リリースされるのか。音源とMVの公開は同時なのか前後するのか。今までのケースを思い出しながらシミュレーションしてみるのも面白いんでないかな。私の予想は…また次回以降に!(※ 逃げました。)