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えぇ、俺これからこのアルバムについて言語で語るの!? 無理じゃね?? ↑こんな顔しとくしかないじゃんね??
宇多田ヒカルのニューアルバム『BADモード』は「BAD TRIP モード」のことなんじゃないかというくらい、その73分間が独立した世界を構築していた。さながら「2022年宇宙の旅」といった趣だった。
三宅プロデューサーが直前にアルバムとしての意義を力説していたが、さもありなん。これは全14曲をダレさせることなく一気に聴き切らせるのに耐えうる密度だ。寧ろ密度が濃すぎて耐えられなくなる方を心配すべきか。
事前に私は「真っ新な新曲が2曲だけでよかった!」と安心していたけれど、それは正しくもあり、全く間違ってもいた。『BADモード』も『Find Love』も事前に公開されていた部分は前フリというかここまできたらもうただの罠じゃん!て言いたくなるくらいフルコーラスはめまぐるしかった。なんじゃこら。
そして未公開だった『気分じゃないの(Not In The Mood)』と『Somewhere Near Marseilles ーマルセイユ辺りー』の余りに濃密な情報量…一体何曲分だよ!?と憤りたくなるほどの凄まじいアイデアの奔流。いや、勿論全く未消化ですよ私。翻弄されるままに終わりました。もうなんなのあなた!? ホント、他の曲が既発曲でよかったよ! こいつら未発表だったらもう脳が危なかった!
まだ1回通して聴いただけなので、細かい話は今後に譲るとして。第一印象は、
「いよいよヒカルが自分の頭の中の景色を音楽にし始めた」
という所に尽きる。様々な技法を駆使して、ヒカルがどういう人で“在る”のか、ヒカルがどんな景色を普段見ているのかを音楽で表現する段階に入ってきた。前までのヒカルの表現は「誤解無く伝えること」にかなりの重点を置いていたように思うが、寧ろ今回から「リスナーを宇多田ヒカルの世界に引きずり込むこと」に重心がシフトしたように思う。なのに他者とのコラボが今まで以上に盛んなのも興味深い。いや、言える日本語もうないけど、凄いね。
音楽的には、作編曲の感覚が現代的なアトモスフェリックなミックス、360Rやドルビーアトモス、ハイレゾといったサウンド面の進化に併行したものにアップデートされているのが印象に残った。そこらへんはサウンドメイキングの専門家の皆さんがこれから解説してくれるだろう。あたしもそれを読むよ。
これからこのアルバムについて語るのか~……。気が重く、そしてそれ以上にワクワクする。今までで最も野心的なアルバムであることは間違いない。これを「今まででいちばん好きかも」と言ってしまうだなんて、あなた、あなた……っ! ヒ、ヒカルさん!!!!!
※ なお、今晩の日記の更新は無いかもしれないです。ライブとラジオがあるので。いつも日記を書いてる時間にライブなので、さてどうすっぺという状況なのでした。やれやれだよ全く!