無意識日記々

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ベスト5ソング・バイ・ダウンロード

第36回日本ゴールドディスク大賞の「ベスト5ソング・バイ・ダウンロード」部門を『One Last Kiss』が受賞したそうな。おめでとう。

https://twitter.com/hikki_staff/status/1503025821380153344

『One Last Kiss』が2021年を代表する大ヒット曲であった事をまたひとつ追認する結果なのだが、正直な所楽曲だけではその説明をつけることが出来ないというのがこちらの実感だったりもする。

理屈はわかる。昨年実質ただひとつ興行収入100億円を突破した邦画であり(呪術廻戦は今年にカウントした方が良くない?)、注目度抜群だった「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズの最終作「:||」の主題歌/エンディング・テーマであり、そのフィット具合が尋常ならざるものだった事から公開初日から絶賛の嵐で、そりゃま年間ベスト5に入っても何らおかしくはないわいな。

でも、「そうはならなかった」としても全然不思議ではなく。例えば目下最新アルバムのタイトルトラック『BADモード』なんかが爆裂大ヒットしてるかといえばそんなこともなく。J-waveの「Tokyo Hot 100」で1位をとったのは流石だったけど、曲だけでいえば『One Last Kiss』以上にキャッチーな筈なのにね。

結局タイアップの強さに依存するのか、と言われたらまぁそれはその通りで、ヒカル唯一の年間トップ曲『Can You Keep A Secret?』もドラマ「HERO」の全回視聴率30パーセント越えあったればこそだったし。この納得のいかなさはお馴染みですらある。

ただ、それ意外の論点もありまして。今回そのゴールドディスク大賞で受賞したのはダウンロード部門だ。また、ビルボードジャパンで高いランキングをとったのも(上半期2位)ダウンロードアルバムランキングであった。ストリーミングでもCDでもない所で売れている。

今の時代にアルバムをダウンロードするのは「サブスク契約するほど普段音楽は聴かないけど宇多田ヒカルの新曲や新譜だったら聴きたい。でも今更CDだなんて。そもそも、プレイヤーが動かない/持ってない/捨てちゃった」という層がメインなのではないかなと推察する。ヒカルはここへのアピール度が高いのだ。出来ればダウンロードアルバムの年齢層がわかればいいのだけど、昔CDは買ってたんだけどなぁという人たちにアピールする力がまだまだあるというのは、結構心強い。この層は、今更CDは買わないけど、ツアーがあるんなら行ってみたいとも思ってくれるんじゃないかなと。

そもそもダウンロードアルバム部門は絶対数が少ないので本来騒ぎ立てるような事ではないかもしれないが、そのファン層リスナー層の性質をを探るという意味合いにおいては結構重要だ。ヒカルのファンやリスナーが何を考えているか、よくよく知る材料のひとつにしたいところだろうね。