無意識日記々

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アルバムは2枚毎に把握しようの巻

ヒカルのアルバムは、大雑把にではあるが大体2枚ずつで把握していくのがいいのかもしれない。その際、1stアルバム『First Love』をカウントしないことがコツだ。或いはCubic Uの『Precious』とセットで考えるべきかもしれないがその話はややこしくなるので今は置いとくとして。

まずは2ndアルバム『Distance』と3rdアルバム『DEEP RIVER』を対に考える。これはもう理由は単純で、『DISTANCE』と『FINAL DISTANCE』が両者を繋ぐからだ。対というより続き物と言った方がいいかもね。ヒカルが自らのサウンドを確立していく過程にある2作品。

次は4thアルバム『ULTRA BLUE』と5thアルバム『HEART STATION』だ。この2作、間に全国ツアー『UTADA UNITED 2006』を挟むのだがツアー終了後僅か2ヶ月余りで『ぼくはくま』がリリースされたので殆ど“矢継ぎ早”な感じでアウトプットが続いた。真ん中に『Flavor Of Life』の特大ヒットが出たことも大きかった。サウンド的にはどちらもエレクトロニック・サウンドの比重が強い作風で、そして誰にも似ていない。

そこから大きく時代を下った6thアルバム『Fantôme』と7thアルバム『初恋』は、母の死を受け容れていくプロセスにある2作品。サウンド的には4th~5thの頃のエレクトロニック・サウンドとは一線を画し、有機的なストリング・サウンドやブラス・サウンドを大きくフィーチャーしたのがポイントだろう。前者の代表格が『花束を君に』、後者の代表格は『あなた』かな。

そして現在。8thアルバム『BADモード』は再びエレクトロニック・サウンドを前面に押し出した作風となっている。これはもう、作ってみたらそうなってしまったとかじゃなく、作る前から意図的だったとヒカルは言っている。勿論、前2作で培ったオーガニックなストリングスやバンドサウンドも活かした上で。

この「2作毎」の流れに則るとするならば、次の9thアルバムは『BADモード』の作風を更に押し進めたスタイルになるだろう。既に邦楽の歴史に残る大傑作として(主に業界側でだが)名前を残しつつある『BADモード』を“更に押し進める”だなんて正気の沙汰ではないのだが、宇多田ヒカルだとやってしまうのである。恐ろしい。

さてそうなってくると、ここでツアーを挟むかどうかだよね。2ndと3rdの間は間隙が無く連続シングルリリースしまくった挙げ句2枚連続で出ちゃった感じで、そのあとに『ヒカルの5』があった。4thと5thは前述のようにツアーで繋がっている感覚だ。6thと7thは、こちらは2nd~3rdの時と近く、順調にシングル曲をリリースしていくうちに2枚のアルバムが出来上がった印象。

となると、この順番(?)でいけば今のヒカルはまずツアーを挟んでからそのまま次のアルバム制作に入るパターンになるのだろうか? それとも、ここからシングル曲リリースが続いて2nd~3rdや6th~7thの時みたいにもう1枚リリースしてからコンサートなのだろうか?

今のところ、懸案となっているのは秋放送の「不滅のあなたへ」第2期の主題歌はどうなっているかという事と、同じく秋配信のNetflixドラマ「First Love 初恋」に新曲を提供しているか否か、だ。どちらも既発曲で対応できる為ヒカルはそんなに動かなくていい筈なんだけど、『First Love』のリマスター手伝ったりしてると仰ってるのをどう捉えたものか。

いずれにせよ、どちらに転んでも楽しい。勿論休暇をとるのもアリだ。が、『BADモード』を完成させて誰よりも興奮してるのがヒカルな気がするので、この勢いのまま行っちゃうんじゃないかなと思います。くれぐれも過労にならない程度に頑張って欲しいわね。