無意識日記々

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開拓精神と帰宅精神

凪の時間帯に入ったなと思ったら「不滅のあなたへ第2期」の続報が来てしかし主題歌情報は一切無しというこのじれったい流れよな。10月下旬アニメ主題歌、11月下旬ネトフリドラマ、となったらかなりしっかり継続感が出るのだけど、果たして。

アルバム『BADモード』に関しては、これがヒカル史上初めてストリーミング主体のプロモーションスケジュールがとられた点を改めて強調しておきたい。大物アーティストであればあるほどサブスクリプション参入は大きなニュースになるのだが、『One Last Kiss』や『君に夢中』の人気振りをみるに、ファン層のメインがCD世代であってもかなり健闘できることがわかった。

となると、確かに、CD時代とは違って、アルバムリリースから後にどこまでプロモーション活動を続けるかというのはアルバムの性質に依存する事になる。買って貰うんでなく再生して貰ってなんぼだからね。その中で更にLSAS2022をフィーチャーしたフィジカルも売れてくれれば、という。

なので、宇多田ヒカルのネームバリューとアルバムの強度を考慮に入れた時、タイアップが許すならば行けるとこまで行けるとこまで行ってしまえばいいのではないか。そこでまずはポイントとなるのが、業界での評価と一般リスナー(毎度問うが、誰のこと?)の評価とのズレである。

『BADモード』発売時に、特に目立ったのが同業者からの絶賛とリスペクトだった。確かにそれは有難いし喜ばしいところだが、肌感覚として、果たしてそれでもっと広範なリスナーに凄味が伝わったのか?という点に関しては疑問が残った。

だが、業界内の評価というのは、絶対数は少なくても影響力はある。「尊敬するあの人がそこまで言うんなら」というのが連鎖していくのが他との違いだ。ミュージシャン同士の中で「宇多田ヒカルはやっぱり凄い」という評価が定着し、それを耳にしたミュージシャンや、放送局やショップやキュレーターや評論家たちが更に絶賛して、という繋がり方。そして問題はそこからである。

リリースから8ヶ月が経とうとしていて、その「そこから」をもう一押し出来るというのなら、アルバム『BADモード』はまだまだ擦ることが可能だろう。もっとも、どれだけ擦り上げてもその魅力が摩耗することはないだろうけど。

ここまでの1年余り、従来型のゲームやドラマやアニメ映画とのタイアップに加えて、テレビアニメシリーズ初参加や資生堂のキャンペーン本人起用、更にカルティエとのコラボレーションなど、今までの活動と地続き感がありながら少しずつ新しい分野に足を踏み入れてる感がある。それは、今まで宇多田ヒカルをまともに聴いたことがなかった層へのアプローチになるかもしれない。結構居るのよ、名前知ってるってことだけで油断してその時々の新曲をチェックしないレイヤーってのが。そこらへんをつつけるのであれば、まだまだプロモーションを続行するのは吝かじゃない。

例えば「サントリー天然水」のCMから派生して自転車レースとか登山活動なんかと繋がりが出来るかもしれない。スポーツとかアウトドアとか今まで比較的触ってこずに来てるからね。本人は若い頃から結構身体動かしてんだけど。

ただ、それと同時に、今までの繋がりを絶やさないことも大事だ。「宇多田ヒカルは変わってしまった」と思われるのは結構まずい。昔と変わらずヲタクですよというアピールを怠らない為にも…やはり

、前にも強調した通り、16年越しにテトリス大会を開催するとかそういうのがいいと思われ。テトリスこそヒカルの心の故郷ですから(言い切った)。6歳くらいからずっとやってきてたんだもんね。ムキになってコントローラを握るヒカルさんの映像はあらゆる懸念を流し去ってくれるかと。どうですか任天堂さん?