無意識日記々

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18周年は17周年迄とは気分が変わった。

今日は『EXODUS』日本発売18周年記念日。いま振り返っても最初っからイギリス盤ジャケットで出せてたらなと言っても後の祭りです。

しかし、同じように振り返るのでも今年は去年までとは随分と気分が違う。というのも、ヒカルが最近作『BADモード』を「初めてのバイリンガル・アルバム」であると言い切ったからだ。

『初めてのバイリンガル・アルバムは、今年1月に出したばかりのアルバムです。それまでは英語の歌や英語のアルバムと日本語のアルバムは分けて考えなきゃと思ってました。日本語と英語の両方を話せる人でもなきゃバイリンガルの曲やアルバムなんて誰も評価してくれないんじゃない?って不安もあったし。両方話せる人は世界でもそんなに居ないから。でも、それが私の話す言葉なんだし、私の生きる道なんだもの!って思い直して。それで悩むのをやめて、好きなように2つの言語を混ぜてみたら、すごくいい反応があって、やってよかったなと思いました。』

https://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary/e/818e21dd4f201d3ed3d2258333144f86

(なぜ共和国が毎日延々同じリンクをbotしているのかといえばこうやってすぐに私が引用できるようにとかいう理由もあったりします)

このように発言して、それまでの「日本語と英語の活動は別々にしなきゃ」というアティテュードを事実上撤回し、昇華させた。

これによって、去年までは「次の英語アルバムはいつかなぁ?」とか言っていた期待感が

「次の曲は日本語かな?英語かな?若しくはミックス?」

「日本語曲が出た。英語版はあるのかな?」

「英語曲が出た。日本語版はあるのかな?」

といった期待感に入れ替わった。ファンとリスナーの態度としてはかなりの変化になるのではないだろうか。

2004年時点でも、「英語での活動はちょっとなぁ」と当時のUTADAの活動を敬遠回避した人たちが多かった。まるで海の向こうは別世界、とでというような感じでね。真面目な人ほどそうなりがちだったな。私なんか英語歌詞全然聴き取れなくても「なんだか知らねーがカッコいいぜイェーイ!」みたいなノリで無責任に洋楽を楽しんできたので(今でもそうです)、「ちゃんと歌詞のメッセージを受け取りたい」という人にはなかなかに興味が湧かなかったのだろう。

なので、今までの、アーティスト名を変えてまでの「日本語と英語は別に活動する」ヒカルの態度は、ファンとリスナーに対して正しかったというか、大いなるサービスだった。ほんの去年までは私も「名義が使えるかどうかはともかくとして、UTADAの3rdアルバム出ないかな」とか思っていたものだ。

それが『BADモード』アルバムで変わった。今年に入る前の時点で私も「次は日本語曲7曲とその英語バージョン7曲でフルアルバムを作る気では?」などと妄想したりしていたが、当のヒカルはそういったステップも飛び越えてもう両方区別せずに混ぜちゃえ!となったのだった。理由は上記インタビューの通りだ。

だが、2004年時点でも、結構それで行けてたのかもしれない。というのも、当時新発売だったニンテンドーDSのCMに『Easy Breezy』が起用されこれが広範な支持を得たからだ。シングルCDの発売がなかった為数字としてはわかりにくいが、FMチャートの総合部門で3位まで行っていた記憶がある(朧気ながら)。邦楽勢に混じってのこの結果はかなり驚いたものだ。

したがって、あの頃今年以降発売する次なる新曲が完全英語歌詞とかであっても、タイアップ次第では日本語曲と遜色ない支持を得る可能性はある。が、果たして、18年前と較べて、日本市場が英語詞曲に、洋楽に寛容になったかというとわからない。それどころかこの2年感染症禍で来日公演が途切れていた為、洋楽や英語詞曲自体への関心が薄れている懸念すらある。更に高齢化に伴い内向き志向が加速している印象もある。円安が進めば輸入より輸出に熱心になるしね。故に、英語曲の日本市場での未来は楽観的にみられない。私はね。

だが、宇多田ヒカル知名度と力量をもってすればそこもまた打開してくれるのではないかという期待もまたある。4月のコーチェラ出演でアジア市場にもアメリカ市場にもその顔の利き方があるのだと知らされたしね。

とか言ってるけど、そういう活動が始まっちゃうと忙しくなるから、どちらかといえばもう少し休んでからにして欲しいな、なんて贅沢なことも思ってたりするのでありました。扁桃周囲炎はもう勘弁なんでね。(それは2009年、2ndアルバムの時の話ですけどね) 何より大事なのは、ヒカルさんの健康と安全なのです。