無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

360R生配信のジレンマ

『40代はいろいろ♫』、視聴するだけならステレオ版の無料チケットを買えば取り敢えずOKなんだけど、360R版で視聴しようとするとあれやこれやと面倒だわね。

特に「360R認定ヘッドフォン/イヤホン」で聴こうとするとまー手間暇の掛かること掛かること。該当する商品買うとこからだもんねぇ。既に持ってればまだマシなんだけど。

で、ここは誤解無きよう、なのだが、認定ヘッドフォン持ってなくても他のイヤホンや有線ヘッドフォンであっても、360Rの効果はある程度得られる。ただ、認定機器に較べるとその効果は弱くなるということだ。

なので、実際に検証してみないとわからないことではあるけれど、理屈の上では、廉価な認定機器よりも高価な非認定機器で聴いた方が音がよかった、なんてことも有り得る。なので、既にそれなりの機器をお持ちの方は新しくSONY製品を買い足すのはギャンブルかもしれない。

…ただ、ただですよ? それはこの試みが今回の『40代はいろいろ♫』で終わった場合の考え方だ。仮に今後、ヒカルのツアーでのコンサートが有料で360R生配信される可能性があるとしたらどうだろう? そんなの実際に現地に観に行くからいいもんね、というのはそりゃ勿論チケット当選して行ける場所ならいいのたが、海外公演がそれで観れるとしたら? かな~り食指が動く気がするよね。だったら今のうちに買い揃えちゃっても構わないかもね。…っていう、そんな予想の仕方も出来る。昨年の『Hikaru Utada Live Sessions from Air Studios 2022』に続いての、というかそこから絞られてのStagecrowdの起用だから、いよいよ関連サービス自体に慣れておいた方がいい時期が来てるのかもしれないのよさ。

と、いう考え方もひとつ。

でも全く逆の事も考えちゃうのよねぇ。そんなのステレオ版で十分じゃないかと。

ひとまず試聴動画を視聴してみたのだが、確かに位置情報の精度が高いのはわかるが、個々の音自体はそこまで高音質でもない。これ、生配信するとなると相当各個の通信環境で音質が左右されそうな気がする。そして、同じ通信量なら、360R版よりステレオ版の方が個々の楽器の音質が高い事になるのよね。極端な言い方をするなら、ヒカルがただ一人でアカペラをその場から動かずに歌うのであれば、明らかにステレオ版の方がより緻密な音作りが出来るだろうなと。

勿論実際当日には、一万人限定というからには通信量の多くが360R優先で割かれるのだろう。だが、価値は「何をどう歌うか次第」という面が非常に大きい。前から言ってるように『初恋』の『I need you』を人力コーラスで歌うのであれば360Rでの配信は大迫力になるだろう。一方、単独のヴォーカルと通常のバンド編成であれば恩恵は薄いどころか、場合によってはステレオ版の音質の方が優るかもしれない。選曲と編曲次第なのだ360Rの価値の多寡は。

試聴動画でやってるような「マイクとカメラが演奏者達の周りをぐるぐる巡る」演出など論外だろう。宇多田ヒカルが目の前でバラードを歌っているのにその周りを歩き回る馬鹿がこの世界のどこに居る? 「落ち着いてじっくり聴かせろや」ってなるよね。ダンス・チューンなら「一緒に踊りたい!」とかってなるのはわからなくもないけどね。歌に聴き入るのに定位が動くとか煩わしいだけだろうね。なので、バラードかアップテンポか、ここでも選曲が鍵を握る。

そんな感じなので、360R生配信が確実に活きるのって、歌パートよりトークパートの方だったりするかもね。ヒカルさんが貴方の耳元で優しく囁きかけてくれて…って用途が違ってきちゃうなそれな。新しくもないしな。やっぱ歌で魅せて欲しいよね。

あたしならそれこそバックコーラス隊を四方に散らした場合と1ヶ所に集めた場合でどれくらいハーモニーの響きが違うかとかを演出したくなるけどねぇ。となると楽譜にどこをどう歩くかの指示をひとりひとり別々に書き加えなきゃいけなくて…大変だなこりゃ。例えば『FINAL DISTANCE』のエンディングの掛け合いを、声部毎に皆が歩み寄ってきて最後に真ん中でひとつのハーモニーを奏でるとか実現したら大感動モノなんですが、いやそれどんだけ力を注がなあかんねんてなるのよなー。『ゆるーい』企画にはそぐわない、かも??

まーまた週末に新しく認定機器でも買って色々と試してみますかね。来週はそのレポが出来ればいいんだけど、はてさてどうなりますやらですわね。