無意識日記々

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びっくり&しっくり@スッキリ

週末の話題をかっ攫ったのは「水卜麻美中村倫也、結婚」の話題だった。両者の結婚報告ツイートは夫々100万いいねを突破した。いいねが10000を越したときいて「五桁は凄いな!」とか言ってた時代を知る者としては隔世の感が凄い。

それにしてもこの2人、初見で名前正確に読める人一人もいない説を唱えたくなるな。残念ながらこの2人共の名前が初見な人をみつけるのが難しいのだけど。ゴシップをチェックする層で。「みうらあさみ&なかむらともや」なんだって。難易度高いよ。

そんな2人だけど、交際の噂(無責任な記事の事だね)は一切上がってなかったらしい。故に夫々の熱心なファンの皆様も寝耳に水だったそうだ。接点といえば、ヒカルの『Time』を主題歌に起用した日テレ系列ドラマ「美食探偵 明智五郎」で、主役の中村倫也が日テレ系情報番組「スッキリ」にPRに訪れた際、同ドラマに声で出演していた水卜麻美に好感を持ったらしきことを口にし、水卜もそれに喜んだみたいなことが記事に書いてあったけど、その程度でしかなく、どうやらみんなして全くのノーマークだったのだと。この時代にそれは凄いね。

しかし、各地のコメントを読むと、確かにこの2人の組み合わせは想像もしてなかったけど、言われてみれば凄くお似合いだという称賛の声が圧倒的だった。それぞれに高かった好感度が、それぞれに「いい相手を見つけた」&「見る目あるじゃん」ということでますます上がったという、なかなかに奇跡的な結婚報告となった。

って、前フリが長くなったな。今回そのリアクションをみて、ポピュラー・アートのクリエイティブの基本をみる思いだった、というのが今回言いたい主旨なのです。誰もがその発想に気づかず、しかし一旦気づいた後はその発想の妥当性や美的な価値などを納得せざるを得ないという、この状況がね。

ただ単に今まで誰も発想したことのない事を言うだけならカンタンだ。「宇多田ヒカルの『DISTANCE』、マスカルポーネチーズを添えてサンオイルで召し上がれ」という日本語文を書いたのは今の私が人類史上初だろうけど、そこには何の価値もない。言ってる意味もわからなければ実現することでもないからだ。曲にチーズ添えてオイル掛けるって何さ!?という具合。誰も思い付かないというだけでは発想に価値がない。

一方で、「ご飯に卵をかけてうただきました。とっても美味しかったです。」という文章は、卵かけご飯が好きな層から多いに納得と賛同を得られるが、新しい発想でもなんでもない。既に広く知られているからだ。そういう意味で陳腐ですわね。

なので新しく価値のある発想、素晴らしいポピュラー・アートのクリエイティビティは、「誰も思い付かなかった」上で更に「すぐさま納得と賛同と喝采を得られる」ことが至上となる。いつも出す例だが、『COLORS』であのキーボード・リフとあの歌メロを組み合わせたセンスは本当にクリエイティブだった。メチャメチャ大ヒットしたしな。

今回の「水卜麻美中村倫也の結婚」という“事件”も、こうやってびっくりさせられた上で“言われてみれば”しっくりきた、という点で、見事なクリエイティブの見本だったと言える。いや人の人生をクリエイティブって何なのさという気もするけれども、基本を押さえるための引用ということでどうか御容赦願いたい。お二人さん、ご結婚おめでとさん。末永くお幸せに。