無意識日記々

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望むと望まざるとに拘わらず望み通りになる

『初恋』から5年か。昨日は『誰にも言わない』から3年。いやもうね、この歳になってくるとただただ数字のカウンターが回るだけだわ。速いとか遅いとか、無いわ。

『初恋』は昨年、2022Mixとドルビーアトモスで鮮烈な印象を残したので少し距離感が狂ってるとこはあるかもしれない。でも兎に角『Laughter in the Dark Tour 2018』でのパフォーマンスが圧巻でね。ツアー名『初恋 2018』でもよかったんじゃないかという位に主役だった。

でも昨年末からのこのリバイバルヒットの主役は『First Love』だったのよねぇ。知名度からしても仕方のない事だけど、やっぱり意識の差というのは感じたな。

ライブでのあのパフォーマンスをもっと多くの人が体験していたら変わっていたかも…というのもアタマを過るけれど、「そのときのパフォーマンスの出来で反応や評価を変える」というのは現場では多数派ではない。最大多数は「期待した曲を聴きたい」人達だ。なので、『First Love』を聴きに来たという人の人数には敵わない。

とはいえ地道に伝えていくのが大事で。最大多数ではなくとも、その時々の出来を観てくれる人は確実に一定数存在するし、リピーターになってくれるのもそちらだ。「『First Love』を聴きに来た人」は、一度聴けたら満足だろう。聴いたという経験を持てればいいのだから。なので次もまた足を運ぶのは、生で聴く事のプラスアルファを実感した人になる。

そしてコンサートというのは総合体験であるから、準備をして家を出てまた帰ってくる所までの総ての記憶が大事であって、家でネトフリで観たのとはまた感覚が異なる。家で観てよかったものはまた家で観ればよかったりもするのだ。ここはもう、兎に角足を運んで貰うしかない。

その為には、この、5年以上のインターバルというのは難しい。体験の記憶も薄れるし、関心も他に向かう。交友関係も入れ替わる。学校や職場も変わっているかもしれない。なのでまた一から、ヒット曲を出して注目を集める所からスタートしなければいけないのかもしれない。

これだけコンスタントに話題曲を出してきてるのだからと思われそうだが、流石にこれだけ年齢層が上がってくると若い方から「宇多田ヒカルを知らない」と言える世代が順々に出てくるし、上の世代はコンサートに出掛けなくなっていく。焦る必要は微塵もないけれど、そうなった時には素直に「そうなんだ」と言えるようにはしておきたい。

でも、これがヒカルのペースなんだよねぇぇ。シンガーソングライターとしての、音楽家としての、1児の母としてのバランスなんだ。お陰で未だにドームツアーではなくアリーナツアーに収まってくれていて有難い、という見方も出来なくはない。もっと人気が下がってホールやライブハウスで観れるようになったら…とも思うけど、現実問題として無いよねぇ。暫くはライブ・パフォーマーとして衰えそうにないし。体調を崩す事はあるかもしれないが、その場合はライブ活動まるごと取り止めだろうしな。

ファンが宇多田ヒカル落ちぶれたなぁと落胆することもなく、でもドームやスタジアムで遠過ぎると嘆くこともない、アリーナツアーならいつでも出来る今くらいのスケール感が、結局いちばんいいのかもわからないわね。望むと望まざるとに拘わらず望み通りになるのが宇多田ヒカルっことかな。それならまぁ納得するしかないかー。