無意識日記々

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試聴会の"真の"(?)目的とは

今回の宇多うたアルバムのプロモーションでずっと疑問だったのは、何故大々的に予約購入者相手に試聴会なんて開いたのかなという点だ。もう極端な話、発売週に全国を回って誰でも参加できる試聴会を大規模に開催してCDを手売りにした方が売れるんじゃないかとすら思った。いややっぱりそれじゃあ極端だけどさ。

そんな釈然とした気持ちを抱えつつも、私個人のテンションは頗る高かったので迷いなく応募ハガキを受け取ってきた。どうせ買うに決まっているアルバムなのだし、それを自分で用意するよりずっと優れたサウンドで聴けるのだからこんなに有り難い話もそうそうない。なので、喜び勇んでその貰ってきたハガキに自分の個人情報を書き始めた。

…書き始めたのだが、妙な違和感が。住所氏名電話番号メールアドレスはいいとして、右上の空欄にやたら存在感がある。その正方形の大きな空欄は「年齢」を記入する項だった。

確かに、年齢もまた"訊かれて当然"の項目である。住所氏名年齢職業電話番号…という風に。しかし、私はこれをみてふと気が付いた。もしかしたら、これが試聴会を開催する"真の"目的なのではないだろうか。

ヒカルがアーティスト活動を休止して4年経つ。その間もオフィシャルリリースは毎年途切れなく続いている訳で、ヒカル本人とスタッフの皆さんには感謝してもしきれないが、流石にこの間はファンからのリアクションも少ない。スタッフとしても、年齢層・年代層の移り変わりを肌で感じる機会が激減しているのではないか。

だからここらで、"今まさに宇多田ヒカルのファンである"のがどんな人々なのか、実際にその目で見て確かめたくなったのではないか。右上の年齢欄は、その取っ掛かりである。デビュー16周年を迎える4年間休止中のアーティストのソングカバーアルバムを予約金前払いで購入する人たちって、どんな人たちなの? 何歳くらい?という疑問を、この"アンケート"ハガキの年齢欄が教えてくれる。そして、全国の試聴会をまわる事でじかにその人たちに直接会える。マーケティングといえばきこえはよくないかもしれないが、自分たちの仲間や味方に久々に会ってみたいんじゃないのかな。彼らも。

つまり、今回の先行試聴会は、プロモーションや販促は付帯的な目的であり、本当は、僕らがスタッフの皆さんに会いに行くというより、スタッフの皆さんが僕らの顔を見に来る会なのではないか。そう考えると、この大規模な展開も腑に落ちる気がしてきた。細かくレコードショップにハガキを割り当てたのも、普通に予約してくれる人たちを出来るだけ満遍なくとっつかまえたかったからだ。もっとも、店員に関心がなくて応募ハガキを渡すのを忘れる/存在自体が認識されていなかったのは、予想外だったかもしれないが。


そう考えたら、急に楽になった。晴れて当選した暁には、僕もよく周りを見渡して、今のヒカルのコアなファンをやってる人たちがどんな感じ、どんな年齢欄なのかをなんとなく見てくる事にしよう。問題は、その私自身が実年齢不詳過ぎて同じように周りを見渡す人の参考にまるでならない事なんだが…。なんだか、ゴメンなさいでござる。