無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

「“あ、これだ”感」の「あ、これだ」感

**** *****

「宇多田さん自身、作詞作曲をされるとき何を一番大切にしていますか? 是非教えてください」

ヒカルパイセンの回答:「あ、これだ」感

https://sp.universal-music.co.jp/utadahikaru/paisen/

***** *****

この回答が凄く好きでねぇ。天才だと思ったよ。いつもの事だけど、この時は特に。曰く言い難い、常々抱いてるんだけどいい言い方が全く見つからなかった感覚にここまで適切な言葉を当て嵌めてくれるとは。言語化の鬼というか女神というか。これ以来あたしは呪文のように口癖のように「“あ、これだ”感」と言い続けている。言い得て絶妙っすよ。

そう、いい曲ってのはなんか「ピタッとハマる」のよね。それまでのウダウダグダグダや有象無象や何やかんやを経て急に、トンネルを抜けたみたいにクッキリと「答え」が現れる。

「答え」というと、どうしても「外側に在って、突き合わせて正誤を確認するもの」というイメージを持つ人が多い。上意下達型だったり輸入型だったりの文化圏では仕方の無いことかもしれない。音楽ですら、売れて初めて他人が喜んで初めて自信が持てるといいますか。いやプロならそれはそれでいいんだけど。

「“あ、これだ”感」は、純粋に内面で起こる。ただ、内面で起こる割に「やっと辿り着いた」という感覚も強い。答え自体はずっとそこに在って、やっと存在に気づけたような、そういう意味での「外部性」が、そこには有る。一方で、「あぁ、これでいいんだ」という価値判断は純粋に内面だけで完結しているような。故に興奮するというより、納得する、腑に落ちる感覚が強い。今まで寝惚けてたのが起きるみたいな、そういうの。

……と、私ならこうやってつらつらつらつらつらつらつらつらと語って説明したくなるヤツを「“あ、これだ”感」の一言に名詞化してくれたんだヒカルは。ホント便利だし、そもそもこの言葉自体に「あ、これだ感」があるのが凄い。二重に凄い。だから揺るぎない名曲が書けるのよねヒカルは。その感覚を確かめるには、ちゃんとした音源で新曲を聴きたいのですよ! このあと「最愛」の第2話が放送され明日には札幌エキジビションスタートなんですが、果たしていつの時点でどこで何が聞けますのやら!

やれやれどっこい症候群

今日書くはずだった日記を駄洒落の為に昨日書いてしまったので流れが少しおかしいけれども、まぁええか。

「最愛」の新井プロデューサーのインタビューがアップされているけれども、やっぱりこの人は「テレビドラマを観てる人」に対して作っているなぁという印象。テレビドラマだからそれで何の問題もないのだけれど、普段そのテレビドラマを観る習慣が無い私のような人間からすれば少しやれやれどっこいしょという感じがする。頭のスイッチをテレビ向けに切り替えないといけないからね。

今、自分の手に持っているスマートフォンというのは本当に恐ろしい機器で。これがない時代を知っているからこその感慨なんだけれども、小説も音楽も漫画もアニメも映画やコンサート・演劇・イベントの生中継ですらこれ一台で事足りる。そんな機器がずっと手元にあるのだから、普段の生活の中では複数のモードを何度も行き来する。同じ音声コンテンツでも音楽耳だったり落語耳だったり、視覚コンテンツも活字を読む時と漫画を読む時でも違うし、アニメの配信を見る時でも30分ものか2時間の映画なのかで違うし。更にゲームやアプリを楽しむとなるともうやることなすこと山積みに。兎に角兎に角、自然にやっている部分もあるけれど、如何に異なるモードにすんなり入っていかせて貰えるかというのが大事な気がする。

旧来からあるメディアほど、そういうモードの切替に無頓着でな。「テレビドラマを観る人」の中で「次はこう来たか」みたいな侃侃諤諤をやり合うのが楽しいんだろうな、というのは観てて伝わってくるのだけれど、そういうモードに無い人を引き込む力は弱い。地上波テレビというメディアの中でも依然最強クラスの中に居ると、自分たちが内輪ノリでやってるとい意識が持ちにくいのかもな。

それは分断が進んでいるのかもしれないし、洗練が進んでいるのかもしれないし。或いは両方なのかな。こういう時代だから「鬼滅の刃」みたいな親切設計が浮遊層を取り込めるんだ、という話を、前々からしているんだが、それはどのメディアでも同じなので、そこのところを意識したコンテンツがどんどん前に出てくる気はする。

宇多田ヒカルは今年、『One Last Kiss』でどれくらい浮遊層を取り込めたのだろう? 音楽を聴くリスナーを唸らせる新奇性を盛り込むと同時に、スマートフォンの奪い合いの中で、「音楽を聴くモード」にどれだけの人を引き込めたのだろう?と考える。そういうのって、案外アイドルとか声優とかの方が得意だったりするしな。ジャニーズを追っ掛けてたら、ドラマは観るし音楽は聴くし舞台に行ったりグラビア雑誌を買ったりと。まぁアイドルの仕事ってな多岐に渡るから。そのジャニーズ自体は20年間ずっとネットと距離を置いてたけどもね。まぁそれはよう知らん。

ヒカルのような「専属音楽家」ともいうべき立ち位置は、そもそもが音楽リスナーを相手にしている前提で話が動いていくから、余りメディアを跨いでのアピールというのには向いていないのかもしれない。なんだけど、ヒカルってその内輪ノリに非常に拘る一方でそれに留まらない所にも興味があるように思うので、デビュー20周年を超えた現在の次の10年で、「商業音楽の顔役」として、どんなアプローチでメディアを超えていくのかなというのをつらつらと考えていましたとさ。──まぁ例えば、「宇多田ヒカルがワイヤレスイヤホンをつけてたから私も買いました」みたいな、ああいうのだよね。イヤホン買ったら音楽聴くモードが増えるだろう、っていう。今後もそういうタイプのタイアップを期待していきたいですわ。

さてさて、あさって!(これが言いたくて今日書いた私)

「10月23日よりソニーストア札幌で開催される”HIKARU UTADA EXHIBITION“にて『君に夢中』のショートバージョンのハイレゾリューション音源による試聴が展開されます。」

https://www.utadahikaru.jp/news/detail.html?id=534147

一週間前の10月15日にリリースされた公式告知にはこう書かれていた。つまり、今、明後日になったらドラマの台詞に塗れていない『君に夢中』が聴けるのだ、とそう解釈できる。だからこうやってそれなりに落ち着いて過ごせている訳なんだけども。

いや、札幌民限定で世界最速のショートバージョン公開な可能性もなくはない。長い間コンサートにも行っていないのだ北海道には。そういや『Laughter In The Dark Tour 2018』の時には最終日の千葉幕張での音漏れを聴く為に北海道から飛行機に乗ってやってきた方がいらしたぞ。チケット持ってないのに、ですよ。どんだけ渇望感煽ってんねんて話でして。その背景を考えたら新曲のショートバージョンが世界最速で聴けてもそれはそれでという気もするのです。

でもまぁねぇ。普通に考えれば明日の晩あたりにショートバージョンがWeb上でも公開されるよね。身も蓋もないけど。ハイレゾに限って言えば札幌最速は現実味があるか。どうなるか、楽しみだな。

そして、忘れてはならないのが、その公式告知にはこうも書かれているって点よ。

「『Find Love』のショートバージョンのハイレゾ試聴も可能に。」

そう、『Find Love』もなのだ! このまま行くと明日の夜に『君と夢中』と『Find Love』同日公開になるのか!? あクマでもショートバージョンに過ぎないとはいえ。何それ明日夜プチ祭りじゃん。いや明後日早朝かもしれんけど。或いは、ソニーストア開店時刻に合わせる? だったら土曜朝10時だっけ。兎に角、今駅伝の映像とあれやこれやの台詞回しを掻き分け掻き分け聴いているトラックや、アンバサダーたちのドヤ顔に彩られたサウンドが、やっとクリアな音質で聴けるということだわね。

はて、では『Find Love』の方は、ショートバージョンがYouTubeで公開されるとして、一体どんな映像を使ってくるのやら?? 資生堂CM素材をそのまま流用するのか、或いは『One Last Kiss』や『PINK BLOOD』のミュージック・ビデオ撮影時のアウトテイクとかがあるのか……? 『君に夢中』関連のアー写は『One Last Kiss』の時のセッションのものだろうし、そういうセンもなくはないよね。

それに、明後日から札幌でエキジビションなんだから、ソニーストアの大画面で流せる新素材が必要になるんでないかなー。

うぅむ、ほんとこの3ヶ月、公式の動き方が全く読めないまま来てしまいましたからね。もし宇多田ヒカル公式として『Find Love』の音源が、たとえショートバージョンとしてでも公開されるとすれば、やっと資生堂とは別個に本格的に動き出す訳で。長かった。『君に夢中』が素晴らしい出来の予感と確信はもう揺るぎないので、このまま『Find Love』とのタッグでノックアウトして欲しいものですわん。

ドラマタイアップ曲のリリース時期を概観してみた

さてそうなってくると『君に夢中』のリリースがいつになるのかという話になるのだが、ひとまず、過去のドラマタイアップ曲の発売時期をざっと見てみよう。

1999年04月08日「魔女の条件」スタート

1999年04月28日『First Love』リリース

2001年01月08日「HERO」スタート

2001年02月16日『Can You Keep A Secret?』リリース

2002年04月17日「First Love」スタート

2002年05月09日『SAKURAドロップス』リリース

2007年01月05日「花より男子2」スタート

2007年02月28日『Flavor Of Life』リリース

2008年04月10日「ラスト・フレンズ」スタート

2008年05年21日『Prisoner Of Love』リリース

2008年10月20日イノセント・ラヴ」スタート

2008年10月20日『Eternally - Drama Mix -』リリース

2016年04月04日「とと姉ちゃん」スタート

2016年04月15日『花束を君に』リリース

2017年07月09日「ごめん、愛してる」スタート

2017年07月28日『Forevermore』リリース

2020年04月12日「美食探偵 明智五郎」スタート

202年05月08日『Time』リリース

2021年04月12日「不滅のあなたへ」スタート

2021年06月02日『PINK BLOOD』リリース

2021年10月15日「最愛」スタート

2021年??月??日『君に夢中』スタート

……こんな具合だ。最速は『Eternally』の“同日即売”即ち“0日後”だがこれは例外かな。その次は『花束を君に』の“11日後”だけどこれも朝ドラで毎日の放送なので参考記録か。「不滅のあなたへ」はアニメなのでこちらも参考記録。でも、それらを考慮に入れても思ってたより結構バラつきがあったかも。大体ドラマが第8話位の時点でリリースされてるかなと思ってたけどそうでもなかったわ。それぞれの曲がまっさらな新曲なのか既にアルバム収録曲として発表になっているかで扱いも変わってくるしな。CD時代と配信時代でも事情は異なるし、昨年今年は感染症禍があったのでなかなか一般化も難しい。となると、『君に夢中』の発売時期は「11月中かなぁ?」くらいに思っておいた方がいいかもしれないね。気長に待ちますか。

『君に夢中』と大言壮語

『君に夢中』、事前にはそのタイトルから大体同じ意味の『Addicted To You』を連想した人が多かったが、実際のサウンドに触れた後に上がった曲名は『Stay Gold』とか『Animato』とかだった。わかるやねぇ。

この2曲の共通点といえば、「歌詞の独り言感が強い」事だ。歌うという行為は多かれ少なかれ独り善がりなものだが、そのメッセージ性とベクトルとでもいえばいいのか、この想いを伝えたい!届いて欲しい!と願って歌う歌から、誰に聞かせるでもない感じで呟くように歌う歌まで、伝え方伝わり方に幾らかの偏差とグラデーションがあるように思われる。『Stay Gold』、『Animato』、そして『君に夢中』はそういう『誰に聞かせるでもなく独り言つように歌う歌』という点で共通項がある気がする。

『Animato』に関しては、その独り言感は、同じく自己紹介的でありながら外へ外へと打ち出していく『Automatic Part II』と対比すればわかりやすいかもしれない。レコード会社所属まで歌う俗っぽい『Automatic Part II』に対して、『Animato』では「これは私から全人類へ音楽なのです」という誇大な事を言っている。こういうのは、部屋で一人で居る設定でないと言えないと思うのよね。まぁ最後にDVD観てるから、その場面設定は伝わるかと思うけれども。

『Stay Gold』の方は異論があるかな? 例えば睦言で年下の彼氏に囁いている、という設定で聴く人もあるかもしれないな。あたしの場合は最初の方からこれは「死んだ年上彼女が天国から年下彼氏を見守る歌」みたいな設定で聴いているのよね。だから独り言感が強いんだけど、まぁこれは人によるか。

『君に夢中』は、今聞こえてきている部分の歌詞に関して言えば、その「君」に直接向かって言っているようには思えない。少なくとも、「君」と目を合わせて話しかけてるようではない。どちらかといえば、グラウンドを走っている彼を教室から遠目で見ながらとか、そんな少し離れたシチュエーションを想像させる距離感の歌い方かなと。或いは、部屋で勉強の合間に彼のことを思い出しながら、とかね。なんで学生の設定なのかはようわからんけどもっ。

そんななので、『夢中』とか『狂わす』とか『バカ』とか結構強い言葉が並んでるのに、妙に優しく落ち着いた歌い方になっているのだなと。夢中さに対して結構冷静な。彼が目の前に居たらそんなにすましてられないでしょ?っていうヤツね。

前に引用した『来世でもきっと出会う 科学的にいつか証明される』っていう大言壮語な歌詞も、上記の『Animato』の「私から全人類への」みたいなスケール感に近くて。こういうのって自分の部屋で夜中に妄想してるから思い描けることだったりしてさ。

……なんていうのが今のところの私の『君が夢中』の歌詞の感想なんだけど、はてさてフルコーラスだとどんな感想になるのやら。楽しみやら怖いやらですわねぇ。