無意識日記々

mirroring of unconsciousnessdiary

パッパラでバックコーラスをサビだと捉えてた私


急にふと思ったんだけど、『パッパパラダイス』のサビってどこだと認識されてる? 普通はやっぱり冒頭の『好きなことをしてたい』〜『パッパパラダイス〜♪』の部分だと答えるわよね。まぁ付け足して大サビ?が『沈みたくない太陽』って認識もあるかな。大体大抵そうだよね。


んでも気がついてみたら私の場合、サビメロは『The sky is always blue when I’m thinking of you 』だと認識してるみたいなのよさ。サビってより英語でいう“verse, bridge and chorus”のchorus の部分というか。日本語でいう「Aメロ、Bメロ、サビ」の事なんだけど。


その部分、英語な上にバックコーラス扱いだから幾ら何でも私の耳が捻くれ過ぎなのでは?と思わなくもないのだけど、あれなんですよ、往年のソウル・ミュージックの構成って、


「キャッチーなサビメロはバック・コーラスに任せて、メイン・ヴォーカルは比較的自由に歌う。」


みたいなのが定番としてあってさ。例えば…ヒカルさんも大好きなメアリーJ.ブライジの「マイ・ライフ」とか、いちばんキャッチーな“If you looked in my life and see what I’ve seen”の部分はバック・コーラスに任せてメアリーはメインでララララディダダダ歌ってるでしょ? あたしは『パッパパラダイス』をそのスタイルで捉えてるのよね。どうやら。


この「捉え方の違い」で、『パッパパラダイス』の印象は大分違うのかもしれないわね? 普通に日本語の部分をサビだと思って聴いてたらそのままファミリー・アニメ『ちびまる子ちゃん』の主題歌に相応しい、日本語圏のこどもたちが口遊める親しみやすい歌。他方、英語のバックコーラスをサビだと思ってると往年のソウル・ミュージックの日本語歌詞バージョン、みたいな印象になる。私は確かに後者かも。ソウルってよりドゥーワップとロックンロールの時代のサウンドって認識してるけど。


なので、自分としては『Can You Keep A Secret?』や『traveling』と同様に「サビのキメは英語で他の歌詞は日本語主体」っていう“いつもの宇多田ヒカルのバランス”で聴いてるとこあるんだけど、ミックスとしては『The sky is always blue when l’m thinking of you 』のバックコーラスがややメイン・ボーカルの裏に隠れがち?な感が無きにしも非ずなので、かなりの人が「サビは日本語歌詞の歌」って捉えてそう。Paradise って英語発音で歌ってるけどその前がパッパなんていうオノマトペ風の歌詞なのでパッパパラダイスも日本語として受け取られてるだろうしな。


…とすると、これ、アルバムに収録する時にバックコーラスがもっと目立つようにリミックス/リマスターしたら、楽曲の評価自体が変わるかもしれないわ。そんな事をふと思ったのでありましたとさ。何度聴いてもいい曲だ。それ以上に複雑過ぎて未だに何も手に負えてないんですけどね!!!(涙)

「アルバム」に対する複合的な感情


ここで私的な感傷を述べさせてもらうと(ってあんさんの日記帳やで)、「アルバム」という形態に関しては結構複合的な感情を抱いていてね。


ここ2年がそうであるように、一曲々々をじっくり掘り下げてしゃぶり尽くす流れはこちらとしては非常にありがたい。ひとつひとつの曲と時間をかけて向き合えるからね。いっつもアルバムが出るたびに突然新曲が5曲とか現れるもんだからどこから手をつけたらいいのかとアタフタしたりして。キャパシティ・オーバーが容易に起こって消化し切れないのは贅沢が過ぎるよなぁと感じてきた。


一方で、最近のアルバムのアルバムとしての充実度は本当に過去最高で。『BADモード』アルバムを通して聴いた時のあの感覚は『HEART STATION』の隙の無い完成度に辟易(←最早そうとでも表現するしかない)したのをさらに上回る体験だった。更に『SCIENCE FICTION』の“ベスト・アルバムでなさ”にはひっくり返らされたわね。聴いてる時の感覚はほぼ“ニュー・アルバム”の感覚だった。


更に『Live Sessions from Air Studios 2022』と『SCIENCE FICTION TOUR 2024』の2枚の存在も見過ごせない。元々ライブ盤大好き人間としては遂に宇多田ヒカルが気軽にいつでも聴けるライブ・アルバムをリリースしてくれた事に感謝の念が止まらない。これも「アルバム」としての形態の一つだからねぇ。いやまぁ、『40代はいろいろ♫』っていうEPサイズのライブ盤もあったけどね。あぁいやこちらは盤出てないけどな。


そしてそして、やっぱり“アルバム曲”の存在よ。初期でいえば『サングラス』『ドラマ』『海路』といった、シングルカットやタイアップのプレッシャーがないからこその路線の曲が人生の彩りの重要な部分を担ってくれていることを思うととてもその存在を蔑ろにするなんてしたくない。こちらもアルバムをリリースしてきたからこそ出会えた楽曲たちよね。いやまぁ、そのつもりがなかったろうに後にタイアップがついた『人魚』みたいな曲もあったりはするのだけど。



このように、アルバムという形態でリリースする事のデメリット?とメリットを比較すると、どちらがいいのかなと悩んでしまうわけでありまして。どちらかというと、シングルCDの発売がスタートした時期を鮮烈に覚えてる身としては「カップリング曲の美学」みたいなものをも主張したくはあるけどね。キプトラのカップリングが『WINGS』だったの、「さっきまであんなに皆を力強く励ましてたのにプライベートだとえらく弱気なんだな!?」みたいな気持ちになれて、なんというか、とてもよかったし。なので現代でもカップリング曲を復活させてくれてもいいのになとかも思ったりもする。それはいいんだけど。


したがいまして、前回書いたような「コラボ曲などを集めたコンピレーション・アルバム」のリリースなんかも含めて、今後は「アルバム」という形態をどこまで維持しどこまで崩していくのか、どちらにどう転んでも面白そうだなと思う私なのでありましたとさ。外野はこうやって好き勝手に喋ってるので、ヒカルはマイペースに創作活動に励んでくれたらなと思いますですよ。

無理矢理新譜を構成してみてやっぱり無理だった件


まぁ取り敢えず、既存曲でアルバムを構成できるかみてみようか。例えばこんな風である。


① Mine or Yours

② JANE DOE 

③ Home

④ パッパパラダイス


⑤ Gold 〜また逢う日まで〜(Taku's Twice Upon A Time Remix)

⑥ Simple And Clean (Re-Recording)

⑦ Electricty (Arca Remix)

⑧ Mine or Yours (Yaeji Remix)

⑨ パッパパラダイス feat. 甲本ヒロト


「そろそろ次のアルバムが聴きたいけれど、まだ新曲って『Mine or Yours』と『パッパパラダイス』の2曲しかないよねぇ? だったらまだまだ先になりそう?」とついつい思ってしまうが、コラボ曲まで含めるなら新曲は①〜④の4曲、既存曲の別バージョンなら⑤〜⑨に挙げたような曲たちがある(新曲二曲のリミックスは取り敢えず一つずつ挙げてみた)。結構埋まるのよね。こういうのまで活用すると、だけどさ。


例えばアルバム『BADモード』では『HEART STATION』収録の『Beautiful World』のリメイク『Beautiful World (Da Capo Version)』が収録されていた。勿論これは2021年公開のシンエヴァのラストのラストで流されたからだが、このように過去曲のリメイクもオリジナル・アルバムに収録されている事があるのだ。だったら『Simple And Clean (Re-Recording)』を次のアルバムに入れてもいいはずだわよねっ!?


同じく、『BADモード』には『Face My Fears』が日本語版と英語版とリミックスの3トラック収録されていた。それを思えば『パッパパラダイス』と『パッパパラダイス feat. 甲本ヒロト』の両方が1枚のアルバムに収録されていてもおかしくはない。前も言ったと思うけど。


なお『Electricity (Arca Remix)』は完全に私の趣味だ。とはいえイメージとしては、『Distance』アルバムに『DISTANCE』が収録され次の『DEEP RIVER』に『FINAL DISTANCE』が収録されていたのと同様に、SFアルバムに『Electricity』が入ってて次のアルバムには『Electricity (Arca Remix)』が入ってる、みたいな感じだね。同トラックは二人でバルセロナでフォト・セッションしてミュージック・ビデオまで作られたのだから普段のリミックスとは一味違う扱いを受けている。次のアルバムに入っててもおかしくはない…かもしれない?


コラボ曲2つ「JANE DOE」と「Home」はどうするか。どちらも基本的に相手の作った曲なのよね。なのでセルフカバーってわけにもいかないしヒカルのオリジナル・アルバムに収録する理由は薄いのだけど、ないならないで寂しいし、前も論じたように特に『Home』は歌詞世界が『パッパパラダイス』と近いものがあるので、アルバムの中で同居させたくもある。だったら今度はヒカル主導でリメイクをしてチャーリーをゲストに…とか思うけど果たしてソニーとワーナーという異なるグループに所属する二人が再集結できるか、そこが難しいのよね。「JANE DOE」の米津玄師はその点SONYだからやりやすいけど、こちらはヒカルの最近の作風と接続性が薄いのでアルバムの中で浮く可能性があるのでそれはそれで扱いが難しい。


『Mine or Yours (Yaeji Remix)』に関しては、そんな風に米津玄師やチャーリー・プースとデュエットしてるのだから、どうせならヒカルとYaejiが今度は本当に2人で歌ってみたらどうかって提案。つまりリミックスのリレコーティングをしてみたら面白いんじゃないかなと。女性2人だからデュオって呼んだ方がいいのかしら。ノンバイナリの人はそんなん気にしないか??



…って、色々言ってみてるけど、えぇえぇ、本音を言うと


「そんなアルバムで納得できるか!?

 俺は無理!」


ですねぇ。やっぱりなるべく真っ新な新曲で埋め尽くされた新譜が聴きたいわね。別バージョンやコラボ曲を聴くのもいいんだけど…まぁもぉどうせなら、そういうバージョンばかり集めたコンピレーション・アルバムを一旦作って、また仕切り直してオリジナル・アルバムに取り組んでもいいんじゃないかな? って、そんなことしてたらまた次のツアーが遠のくんだけどね!!! 嗚呼、人生ままならねーな全くもう!(笑) ヒカルの身はひとつだからねーしゃあないやねっ!

「アルバム」に対する意識の独特さ


でまぁ昨日色々聴いてみて「これが夏に聴く一曲の決定版だな」と思ったのは『光(Re-Recording)』だったんだけど(…初耳やな!?)。…この曲って結構不憫じゃない!? 同じRe-Recordingのトラベは先行シングルカットされて殆どミュージック・ビデオまで作られたし、中毒の方はSFアルバムの冒頭に配置されてやたら目立ってるのに、この『光(Re-Recording)』はそのどちらでもなく、英語版の『Simple & Clean』に至っては単曲配信でアルバムに収録されていない為更に注目度は落ちている。SFツアー版の『光(Live Version)』も素晴らしい出来なんだけどねぇ。


こういう“不憫”の先輩はといえばすぐに『Don’t Think Twice』が思い浮かぶ。大先輩の『Sanctuary』もそうだったが、こちらは未だにサブスク配信でもシングル収録のみでアルバムの方には入っていない。そろそろ『初恋』のボーナストラックにでも入れておいてあげていいんでないの?



そうなんですよ、『BADモード』からは、こういう英語やリミックスといった別バージョンがアルバムにしれっと入ってるわけですよ。


11.『Beautiful World (Da Capo Version)』

12.『キレイな人(Find Love)』

13.『Face My Fears (English Version)』

14.『Face My Fears (A. G. Cook Remix)』


はそれぞれ


11.過去曲の新バージョン

12.同盤収録曲の英語バージョン

13.同盤収録曲の英語バージョン

14.同盤収録曲の英語バージョンのリミックス


となっていて、まぁ聴いてる方としては「ボーナストラック4曲収録!」のつもりだったりするのだけど、流石に「本編10曲+ボーナス4曲」という“認識”はバランス的にかなり危うい。


これってやっぱりヒカルとしては「アルバム」という形態が「トラック集」という意識が強いからじゃないかと思われる。「アルバムとしてひとつの作品」と考えるのは三宅さんや沖田さん、照實さんの方であってヒカルはあんまりそう思ってなさそう、という。


他方、SFアルバムはオールタイムベストという触れ込みでありながら再録音とリミックスがやたら印象が鮮烈な上新曲3曲も強力であった為、本来なら「トラックの集合体」でしかないはずのベスト・アルバムがまるでオリジナル・アルバムであるかのような雰囲気を纏い始めていた。


つまり、ヒカルの意識からしたらオリジナル・アルバムとベスト・アルバムってそこまで違いがないというか、両者に対する感覚がかなり近づいている(というか最初から近い)感覚が大きいんじゃないかなと。なのでもしかしたら、次のアルバムってオリジナル・アルバムとかベスト・アルバム、コンピレーション・アルバムといった“区分”が意味を為さなくなっていくのかもしれないなと。


したがって、『BADモード』では「10曲+4曲」だったバランスが「6曲+6曲」とかになっているかもしれなくて、だったら“次のアルバム”が予想よりも早くリリースされる事もあったりするのかなぁと。


ただ、そこまでいくと「オリジナル・アルバム」という呼び方をしていいのかっていう事になり、先週の「次のアルバムは宇多田ヒカル何枚目のアルバムとカウントされるのか」問題にまた帰着することになりそうで。そうなるとまだまだ予断は許しませんな。


んだったら、それこそ『Don't Think Twice』と『Simple And Clean (Re-Recording)』を次のアルバムに収録してあげて、再注目を促してくれるのも悪くないかなぁなんて思ったりもしますのやけどねっ。ちょっと流石に今更感が出ちゃうかな!? もう7年前と2年前のトラックなんだもんねぇ。

真夏に聴きたいSPライブ音源3選


前回夏向けの曲を3曲取り上げたが、勿論他にもヒカルの曲で夏に聴きたくなるものは沢山ある。そんな中で見落としがちなのが、普段のスタジオ音源ではなくスペシャル・ライブの音源の数々である。



まずは2001年に収録された『MTV UNPLUGGED』の音源だ。実際に真夏に収録されたこともあってかなくてか、非常に涼しげなアレンジのものが多い。ってかそもそもアンプラグドってアコースティック・ライブのことだから普段の電子音満載の編曲より涼しげな音作りになるのは当然っちゃ当然なのだが、やはりここで聴ける『Automatic』や『Parody』には独特の軽妙さと親密さの同居があって堪らない。こんな音なら暑苦しくもならないだろう。勿論、絶品のU2のカバー『With or Without You』やこの時初披露の『FINAL DISTANCE』も聴き逃せない…とかいってたら全曲聴いちゃうよね。そりゃあね。


次に、2003年1月19日に配信された『20代はイケイケ!』も聴き逃せない。どうしてもリアルタイムで観た人にとっては真冬のイメージがついているかもしれないが、ここで聴ける井上陽水のカバー「少年時代」でのヒカルの歌唱は歌詞も相俟って真夏に相応しい優しい清涼感を運んでくる。同曲に関しては2019年にスタジオ収録版がリリースされているが、どちらかといえば夏向きなのはストリングス・アレンジの落ち着いたこちらのバージョンではなかろうか。


あとは、それなりに最近の音源だがこれまた真冬のイメージに引き摺られて真夏に思い出しづらいかもしれない『40代はいろいろ♫』の音源もいいのよね。『First Love [Live 2023]』は、数多ある『First Love』の中でも最もリラックスしていて音の隙間ににゆとりのあるサウンドだし、『Rule [Live 2023]』はオリジナルの『君に夢中』のゴリゴリなベースラインによる分厚いサウンドとは一線を画す、真夏にうってつけの喉越し最高な淡いひんやり感を優しげに運んでくれる、宇多田ヒカルのトラックの中ではなかなかに稀有な逸品となっている。今回夏向けに何がいいかと聴き漁った中でも珠玉の一曲であった。



ほんの20年くらい前までなら真夏の選曲といえば、いわば「暑い時こそキムチ鍋!」みたいな反逆精神で「暑さを吹き飛ばせ!」とばかりに暑苦しくエネルギッシュな曲を聴いて頑張るぞ!みたいなことも主張できた。それこそ『MTV UNPLUGGED』の『蹴っ飛ばせ!』なんかもそうだし、なんなら『Bohemian Summer 2000』のVHSやDVDを全編流して真夏の擬似ライブでお部屋で盛り上がったりしてもよかった。しかし令和の日本はといえば、今年から40°C以上を記録した日を正式に「酷暑日」と呼ぶようになるなど完全に「暑さは災害」モードに突入している。こんな時に暑さを吹き飛ばそうと暑苦しくはしゃごうものなら熱中症まっしぐらになってしまうのでやはり外から帰ってきたら冷房の効いた部屋に入り浸って涼しげな曲を流して暑さで疲れきった身体と精神を癒したくなる。そんな時は前回と今回挙げたような、涼しげでリラックスしたサウンドと歌唱のトラックをかけて過ごすのが、結局はいいんじゃないかな〜と思うのでありましたとさ。まる。