無意識日記々

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It drives me expressing than being anxious

今季は大谷翔平選手が絶好調で、現在本塁打35本で本塁打王、盗塁14、防御率3.02で100奪三振という驚異的な数字を出している。まぁもう褒めても時節の挨拶にすらならないくらい各方面で絶賛されてるので野球自体の話はいいとして。

そのうちまた触れるかもわからないが、彼は野球のみならず記者会見までいちばん上手い。言葉のチョイスやニュアンスの選び方などまぁよく考えて練られている。試合後の疲れたアタマでよくあれだけ立ち振る舞えるなと。やっぱりもうホモ・サピエンスじゃないのでは?

だなんて思っていたので、ヒカルさんも大谷くんの話術から参考になるところがあれば……と進言したい雰囲気になっていたのだが、今回つやちゃんさんインタビュー完全版を読んでそんな必要などなかったと改めて気づかされた。いやほんと凄いね。ヒカルも大谷君に負けず劣らず、微妙な話題でもわかりやすく説明する能力が非常に高い。

なので前回触れた通り、あまりツッコミどころがない。少し前まではこんな発言して心を病んではいまいかと読者を不安にさせるのがヒカルのお家芸だったのだが、今回そんなことを感じさせるターンは全くと言っていいほどなく。つやちゃんさんが音楽に特化した音楽ライターさんでそれについての質問だらけだったせいとも言えるが、それにしても堂々とした受け答えでまぁ感心するばかり。「ほんとそれな」って柄にも無く何度も呟いたわ。

そして、ここからなのだが、ツッコミどころがないと今度は、いち読者として「そのテーマについてあたしゃこう考える」という“自分語りの領域の話”を始めたくなったのが新しい効果かなと。いつもは不安や心配、ヒカルへの期待なんかで構成されていた「インタビューを読んでの感想」が、自分語り方面にシフトしたというのが、なんだかプログレスとして際立っているかなと。今までは不安に駆り立てられていたのに、今は表現欲求に駆り立てられているというか。ベクトルがヒカルとの1対1というよりは、もっと広い方を向いてる感じがしてきてるよ。

それが、インタビューの感想をなかなか書き進められない理由にもなっていて。あたしの自分語りだらけになったら、まずあたし自身が後からあんまり読み返したくならないかもしれず。読者としてはそれはつまらないので躊躇っているというのが今のタイミングなのですよっと。

つまり、ヒカルのインタビューを読んだ後の読後感が「ヒカルと私」から「私と私」へと遷移したというのが、過去のインタビューからの変化なのだ。なるほど、これもまた『My Relationship with Myself』の一環かと思えば、もう既に私は、そしてひょっとしたら我々は、ヒカルのニューアルバムのコンセプトに巻き込まれつつあるのかもしれないのね。これは巻き込まれておかない手はないだろう。きっと物凄く興味深い体験となるだろうから。なんとか自分でも読み返したくなるような自分語りの方法をみつけてインタビュー感想記事の続きを綴ってみたいものですわ。

「ただひたすらによくみえている」

つやちゃんさんインタビューでのヒカルはいつにも増して振り幅が大きい。

『(略)私はメインストリームなもの、あまり知られていないようなオルタナなもの、昔のラップミュージック、クラシック音楽、分け隔てなく聴いてきました。全てジャンルは違えど「音楽」という認識しかなく、音楽をつくる要素は同じだし大した意味のある違いはないと考えます。(略)』

と言い切り、ラップと歌の差について

『結局メロディとリズムが関係していれば、それらは変わらないんじゃないですかね』

と断ずる。皆結局は変わらない、同じなんだ、と。一方で、

『メロディと歌詞の関係についても、元々メロディをつくったあとに文字数も考えながら歌詞を書くんですけど、母音をメインに考えていくんですね。メロディを思いついて歌詞がまだない状態で歌っている時に、だいたい母音がかたまっていって、そこからその母音に沿って言葉の選び方・置き方を考えていくので、どうしても語呂が大事なんです。イメージした子音や母音が違うと良いメロディに思えなくなってしまうんですよね。そう思うと、ラップと同じように韻を踏んだり、語呂とかがきっちり構成のあるものにしようとしてるんでしょうね。』

と語るように、自分の作る歌とラップ・ミュージックの相違点と同調点を事細かに分析済みだったりもする。大胆に同じだと思うところと、精密に差異を見分けるフェイズが同居している。

また、前も取り上げたように、音楽自体についても、

『言語の定義って何?と考えてみれば、やはり音楽も言語なんだと思います。楽譜に書き起こせるし、記号で表現できるし、言葉以上に人類に共通して伝わるもの。』

という風にその言語性について語ったかと思ったら

『実は音楽は凄く物理的なもので。波形にできるし、周波数で考えたり質感で考えたり物量感で考えたりもできる。』

とその実在的な側面についてもすぐに語れる。一見相矛盾するようにみえることもあるかもしれないが、非常にものごとの性質を多角的にみている為に起こることなのだろう。

つまり、今のヒカルは「ただひたすらによくみえている」のだ。総てに対して明晰であり迷いが極めて小さいというか。『PINK BLOOD』の『もう充分読んだわ』のラインナップに、他人の表情や場の空気や上等な小説に加えて「この世の理(ことわり)」みたいなものも入れるべきなのかもわからない。正直、完全版を読みながら「そこまでちゃんと理解しててそれを的確簡潔に表現出来るとなるとツッコミどころがないわ」と苦笑いすることが多かった。では、だとすると感想を書きづらくなるかというとさにあらず。言いたい事触れたい事が溜まりまくっていて今困ってんのよね私ね。何故そうなるかの話については次回それを書く元気があったらなっ。

「アルバム」という単位

伊藤美誠水谷隼両君五輪卓球混合複初代金メダル獲得おめでとうございます☆ これから更に沢山記事が出る事でしょう。引き続き単・団体も期待しています。

この無意識日記goo blog版が始まった頃は2006年、福原愛が日本の中心選手になりつつあった頃だったな。懐かしい。その頃の彼女の活躍ですら、その前の暗黒時代を知る者としては夢見心地だったので、昨日の事は夢すら超えた何かですわ。

それだけふわふわしてたのにちゃんとYouTubeの『One Last Kiss』MVの再生回数をチェックして共和国ツイート差し替えた私えらい(自画自賛)。夜22時前後だと回数更新微妙なところだと思っていたので。無事(?)、4000万回再生を突破しました。

折しも、先日「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」がAmazonプライム・ビデオで配信される事が発表され、YouTubeエヴァ関連広告動画が軒並みアマプラ仕様にアップデートされていたから、関連動画として『One Last Kiss』MVが目に入るケースが増えていたかもしれないね。いやはや、おめでとう。でも梶さん、それに反応するのが午前5時前って貴方いつ寝てるのさ?(笑)

前から「次のアルバムは『One Last Kiss』が看板曲になるので一曲目に持ってきたいんだけど、映画のお陰でエンディングのイメージが強過ぎる」てな悩みを書いてきたが、いやホント、次のアルバムってシングル・バージョンのまま収録されるかどうかわからない曲多いんでない? 感染症禍下という事情はあるにせよ、『PINK BLOOD』はかなり時期の違うテイクを貼り合わせたものだし、『Face My Fears』は「あるきたに」問題を抱えているからそこらへんはミックスし直したいところだし、件の『One Last Kiss』は曲の繋ぎがどうなるかわからないし……でもヒカルの性格として、一度世に出したテイクは直したがらないよね。そこまでの完成度にもってく為に毎度死ぬ思いをしてるんだろうからそれで当然なんだけど、アルバムの完成度と楽曲の完成度は必ずしも同じ方向性で完結する訳じゃない、とするならアルバムバージョン、アルバムミックス、アルバムマスタリングもひとつの方法ではあるだろう。

一方で、そのままシングルバージョンで収録した方が、ドキュメントとしては生々しい、という判断も有り得る。アルバムを新譜として聴いた時点で既にリスナーの思い出とリンクして作用していくかもしれない。あの頃はこうだったな、と思い出させるには同じテイクである方が効果的だろう。更に将来アルバム自体を旧作として振り返るなら尚更だ。

結局は、「アルバム」というものをどう捉えるかにかかっている。そこまでリリースしてきた曲を集めたものなのか、それともそれ全体で何か一個の作品なのか。ヒカルは前者寄り、三宅プロデューサーなんかは後者寄りだな。そこらへんがどうなるかも今後のみもののひとつになりそうですよ。

ヒカルにドクター・ドレーを聴かせた人

今回つやちゃんさんインタビューを読んで「迂闊だったな」と思ったのは、ヒカルがラップ・ミュージックを聴き始めたキッカケに関してだ。こんな風に語っている。

『(当時)母親がヒップホップにはまって。私が11歳~12歳の頃、近所のヒップホップのダンス教室に通い始めたんですね。見に行ったら超真剣で(踊っていて)。すごく時代を先取りする人だったんですよ。「この曲のキックドラムが凄い」とか「ノリが、グルーヴがどうだ」とか語ってて。で、家でそれまで目立ってたSadeとかThe BeatlesとかT-REXとかのCDより、もうCDプレーヤーの近くにDr.Dreの『The Chronic』とSnoop Doggy Doggの『Doggystyle』が並んで、それがめちゃくちゃ流れてて私も好きで聴いてました。その二人がラップでいうと始まりで、その後JAY-Z、Biggie(The Notorious B.I.G.)と。(以下略)』

そう、お母さんの影響だったのだヒカルがヒップホップ/ラップ(最近この並び使うんだっけ?)を知ったのは。

それまでのヒカルは……小学生の頃のヒカルはロック好きだったりしたのだが、それはそういう音楽がとりわけ好みというよりは、まず照實さんの持っていたコレクションが60年代70年代メインで、それこそザ・ビートルズから取り揃えていたのをかなり小さい頃から耳にしていたという点と、ヒカルが小学生だった80年代末期から90年代初頭というのは、普通にロックミュージックがアメリカの商業音楽でいちばん売れていた、という点が大きかったように思う。ビルボードTOP10の半分以上がハード・ロックだった事すらあるのだ。今の「少し昔のオルタナの更に前の音楽」みたいなイメージじゃなく、フツーにホットな音楽だったのよ。なので流行りの音楽を聴いていれば自然にロックに触れるようになっていったのだろう。

そこから中学(って言っていいんかな)に上がる頃にはラップ/ヒップホップやR&B/ソウルがフェイバリットになっていくヒカルだったが、こちらとしてはただ漠然と「90年代半ばのアメリカでローティーンとして過ごしてりゃそうなるか」くらいに捉えていた。それが実は、もっと具体的で明快なキッカケがあった訳だ。圭子さん、お母さんというね。日本で演歌の女王と呼ばれていた人がヒップホップダンス教室通うのは……まぁ特に変わってもないか。美空ひばり八代亜紀なんて演歌のみならずジャズも一流だもんね、藤圭子がソウル・ミュージックの変遷に敏感でもそんなに違和感無いかもしれん。

あたしが「迂闊だったな」と思ったのは「そういやヒカルっていつも周りの人からキッカケ貰って新しい音楽聴き始めてたわ」って事実を思い出したから──つまり、それまでそれを忘れていたからだ。2002年に『嘘みたいなI Love You』を聴いた時「えらい唐突にヘヴィ・ロック出してきたな」と思ったものだが(こないだのファンピク2021でも異彩を放ってましたねー)、後から聞いてみると最近(当時)ナイン・インチ・ネイルズにハマっているという。ほぉ〜、そんなところからと思ったがそれも旦那(当時)の紀里谷和明氏から教えられたものだった。ついでにディス・モータル・コイルなどの4ADサウンドも教えて貰って後年コクトー・ツインズに辿り着くのは皆さんご存知でしょうかな。

最近ではダイレクトに小袋成彬氏からJ.Husを教えて貰ったりしてて、なるほど、そういうのは身近な人からのインプットが多いのね〜とは思ってたけど、ドクター・ドレースヌープ・ドッグが圭子さんからのってのは、ほんと想定外だった。消去法でいってたら辿り着いたかな……。……ん? 照實さんからの可能性もあった? いや彼だとギャングスタ・ラップになっちゃわないですかね若い頃の見た目的に……(怒られてきなさい)。

まぁそんな切り口からつやちゃんさんインタビューが進んでいくわけですが……ってこんなペースで読み込んでたらオリンピック終わってもまだPart 1読んでんじゃねーか? なんとか巻いていきますよぅ。

金輪際五輪には触れない─事も無いか

前も少し触れたように五輪開催期間に新しい動きをするかどうかというのは見解が分かれるところ。こういうのはミュージシャンとその支持者やリスナーの体質によるもんだが、毎度朝の情報番組を間借りしてプロモーションをしているような身としては、五輪期間は取り上げて貰える時間枠も少なく、いや、そもそも殆どなく、やはり得策ではないかなとはいえる。

当たり前の事だが、例えば如何にサッカーワールドカップの代表戦の視聴率が高くとも大抵の場合半分以上、或いは半分近くの数千万人はその中継を観ていない訳で、ガッツリそちらにアピールしようと腹をくくればそんな他所でやってるイベントを気にする必要はないんだけど、例えばうちのタイムラインを観る限り、五輪の視聴率は……あら、そんなでもないかな? こりゃ判断に困るな。まぁ連休中と平日ではまた違うだろうから今日以降も引き続き見ようか。

五輪のオフィシャルスポンサー等々を一瞥しても、すぐに関連するような企業は見当たらない、かな? ソニー系列の保険会社が在るんだったか。日清なんかは昔お世話になりましただし、トヨタもそうだけどCM出稿取り下げたんだっけ。

この期間にCMソングとして流れる曲があれば随分なプロモーションにはなったろうが、サントリーはライバル会社が五輪に関わっているので無関係だし、資生堂はもっと無関係だな。日焼け止めアピールとかしようにも都内は無観客だしねぇ。

うむ、こう考えてみると梶さん以下RIAのプロモーションチームは夏休み気味なのだろうか。いやちょうどエルエムワイケイのタイアップ日程が順調に消化されてるとこなので「宇多田サイドに関しては」なんだけど。

マスメディアに頼るミュージシャンはこういう時に難しいわねぇ。

こちらとしては開催自体の意義是非云々はともかく、アスリートのパフォーマンス自体には大いに感動させられるのでそれに対する賞賛は惜しみなく。普段熱心なファンやリスナーさんたちもオリンピックを楽しんでる期間に新曲情報とかこられても戸惑うかもね。「さぁいよいよマッチポイント! ってこのタイミングで宇多田ヒカル最新情報メルマガ着弾する!?」─これはまずい(笑)。混乱するよね。そういうとこの空気も読まないといけないかもってめんどいなぁ──って、観てない人には全然関係ない話題でした。

そういやそろそろ『One Last Kiss』MVの再生回数が4000万回に到達するので物好きな人はスクショ準備を。ここまでのペースでいくと5000万回は相当先になるので、このタイミングで祝っておくのが宜しいかと。いやしかし、凄い人気曲になったねぇラスキス。加地さんも梶さんも喜んでるわねきっと。