無意識日記々

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2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

アルバムで印象をより鮮烈にした『Time』

初めてアルバム『BADモード』で『Time』を聴いた時、その鮮烈さにかなり驚愕した。2020年5月に発表されて以来何百回と聴いてきて慣れ親しみまくっているこの曲がどうしてここまで違って聞こえるのか!? アルバムリマスタリングの効果も勿論あるだろうが、や…

I, you & they.

歌詞の解釈ってリスナー次第な比重が結構大きくってな。 例えば『BADモード』の1番、 『いつも優しくていい子な君が 調子悪そうにしているなんて いったいどうしてだ 神様 そりゃないぜ そっと見守ろうか? 傷つけてしまわないか? わかんないけど 君のこと…

結局、歌詞に書いてあったわ。

前回と前々回の話は歌詞についての論ではない。曲を聴いたときのフィーリングに関して綴ったつもり。確かに、『先読みのし過ぎなんて意味の無いことは止めて今日は美味しいものを食べようよ』なんかはヒカルが実際に言ってそうだけど、そういうことだけでも…

仕事・親密・対話・同化

前回書いたことを(自分の頭を整理する為に)もう一度纏め直してみる。 母親譲りの歌声を最大限活かした作品群─『Automatic』や『Can You Keep A Secret?』や『Prisoner Of Love』のような─は、例えばレストランのシェフが我々に振る舞ってくれる料理のよう…

仕方・在り方・考え方・受け取り方

『光』の次に取り上げるべきは『Passion』だろうか。情熱というともっと熱い曲調を想像しそうな所を温度感の無い抽象的な感覚を中心にしているこの名曲は、いわばヒカルが何をどう理解しているかを表現した楽曲だ。自分の中から生まれてくるものが何がどうな…

"光"を出し始めて20年

毎度新譜を出す度に「今までになく自分を出せた」と言ってきたヒカルさん。それを誰かに指摘されたのか今回は「自分の違った側面を表現できた」的なやや迂遠な言い方をしてきている。うむ、やりおる。 今回の『BADモード』アルバムでそこが最も先鋭化したの…

LSAS2022で残念だったこと

『Hikaru Utada Live Sessions from Air Studios 2022』で何が残念だったかって、当然『気分じゃないの(Not In The Mood)』と『Somewhere Near Marseilles ーマルセイユ辺りー』が歌われなかった事である。選曲の問題以前に、非常にシンプルに、2曲ともス…

桜の樹の下には

ヒカルの『最近ウクライナ侵攻のニュースばかり追ってて日本のニュースチェックしてなかった』ってツイートがずっと気になっててね。ニュースって日常の中でどんな位置付けなんだろうかという。 ヒカルの歌詞の中には、テレビも新聞も出てくる。秋のドラマ再…

「Nのタメに」

ヒカルが頻りに歌の中に「ん/N」の音を入れ込んでくるのは、別に『Find Love』&『キレイな人』に限らない。例えば『One Last Kiss』の『この世の終わりでも』なんかも「こんのよのおわりでも」と歌っているように聞こえる。な行とま行の音を強調する時に…

フリフリの お尻が何とも 以下自主規制

特に悩まずに前回からの続き(なんか薄情やな?)。『Find Love』&『キレイな人』の曲構成は独特だ。一応踏まえておこう。 基本的にオープニングの印象は「ダンスチューン」である。Aメロがイントロからのあのユーモラスな音色を受け継いだリズムを続行し、…

「あ、そういえば!」

っとと、「あ、ノってるな」の回で、大事な事を書くのを忘れていた。というか書きたいことの半分しか書いてなかったのを思い出した。 同回では、『Find Love』&『キレイな人』の1:30~1:45のパート、それぞれ 『Find Love』では 『For now committed to my t…

N氏の撥音

『キレイな人』は歌詞を字のまま歌わずやたらと「ん」の音を挟んで歌ってくるのが特徴的だ。 例えば歌詞カードだと 『欲しいものを手に入れるだけでは なれないよ、なりたいような人には いつまでも物足りない』 と書いてあるところでも実際の歌は 『欲しい…

「あ、ノってるな」

『キレイな人』に関する『Liner Voice +』でのヒカルのコメントは次の通り。 『えっと、ボーナストラックとして入っている「キレイな人(Find Love)」。えと~、ん、正直入れるかまよ…迷ったんですけど、まその、一部出来た歌詞、ま「日本語のバージョンも…

『BLUE』にみる宇多田ヒカルのイントネーション活用術

『キレイな人』の話に行く前に、「イントネーションの威力」の一例を取り上げておきたい。グルーヴ重視とのいい対比になるだろう。取り上げるのは皆さん御存知『BLUE』である。 この曲は、Bメロ(ブリッジ)がメロディ重視、サビメロ(コーラス)が歌詞重視─…

イントネーション重視の話

ちょいと道草を食う。「アクセント」と「イントネーション」についてのお話。 この2つの違いを踏まえておくことは重要である。ひとまず日本語の発音の基準・権威といえばNHKということで該当サイトから引用させてうただく。 「単語レベルの音の高低をアクセ…

目で見る作詞

先日のApple JpopNow Radioでヒカルは、日本語と英語の歌詞のバランスの話をしている最中に「表音文字/ひょうおんもじ」のことを「おんひょうもじ」と言っていた 。これが先週この日記で書いた「ヒカルの日本語に対するイメージについての更に別な側面」へ…

キレ/テル/ノハ/キレイ?

「日本語は必ず子音と母音がセットだから、ひとつひとつの字をバラバラにして音符に載せることができる。なのに、なんでみんなそうしないの?」というヒカルの疑問に答えてみよう。 単純な話だ。だからこそ、なのです。 日本語は幾らでも文章を分解してメロ…

何回目だこの話題? …ななかいめ?w

「宇多田ヒカルの歌詞は区切り方が斬新」という耳タコ過ぎる話題がAppleJpopNowでも取り上げられていた。しかしそれについてヒカル本人がコメントをしてくれる機会となると比較的貴重なのでとてもありがたい。 歌詞の区切り方といえばアレだ。デビュー曲の片…

あなたには まだ『この部屋』に 居て欲しい

またツイート。今度は19時…ってことはロンドンは朝10時か。 @utadahikaru : 最近ウクライナ侵攻のニュースばかり追ってて日本のニュースチェックしてなかったから、さっき東京のお父さんに電話したら東北の地震のことを聞いてやっと知った…被害が大きくない…

喜ぶヒカルに喜ぶ私ら

朝も早よから(英国は夜の9時10時か)ヒカルさんがツイートを連投しとる。 @utadahikaru : 嬉しいコンセプト考えて友達の凄腕シネマトグラファーとロケ地やエアビー選んで、彼女の家や自分の寝室でも撮影して幼い息子にも協力してもらって庵野秀明監督作…

「疎外感に恐怖」?

◇宇多田ヒカル、Apple Music「J-Pop Now Radio」に初出演。 最新アルバム「BADモード」について語るエピソードが公開! https://www.sonymusic.co.jp/artist/utadahikaru/info/539073?id=aep220316 (※ 以上、公式メルマガからの転載) なぜか柄にもなく(?…

枕元の流行と足許の普遍性

『キレイな人』は御存知の通り『Movin' on without you』へのアンサーソング(の一種)だが、この間の23年間の月日を含めて考えるとそれぞれに味わい深い。 『汚れたドレスに いつもの私で何が悪ぃ』 この一節で、2013年の映画「アナと雪の女王」を思い出す…

『BADモード』で取り上げられなかったテーマ

akiさん(ライターの内田暁氏)の書いてくれた記事が毎度の通り秀逸だ。 《大坂なおみに飛んだ「ヤジ」を考える。彼女が流した涙は「メンタルの弱さ」だけで片づけてはならない》 https://sportiva.shueisha.co.jp/smart/clm/otherballgame/tennis/2022/03/1…

「ぬぜじやれそおべぷめ」

CD買ったらLSAS2022の話をしようと思ってたのに全然してない…っ ! 見所聴所盛り沢山の60分だというのにやれやれだぜ全くもう。 このライブで驚きなのはやはりその人力の割合だ。メイキングで語られていた通り、そもそものトラックが人間の演奏を想定して…

about a boy with a joy

あー書きたいネタがわんさとあるのになかなか書き切れなーい。(愚痴) こういう時の方が筆が乗らないというややこしい性格です。さてさてこほん。 ヒカルの「ノンバイナリぶり」というのは、音楽面ではそんなに目新しいことでもない。今回もそこはいつも通…

ベスト5ソング・バイ・ダウンロード

第36回日本ゴールドディスク大賞の「ベスト5ソング・バイ・ダウンロード」部門を『One Last Kiss』が受賞したそうな。おめでとう。 https://twitter.com/hikki_staff/status/1503025821380153344 『One Last Kiss』が2021年を代表する大ヒット曲であった事…

そこは誰の部屋だったのか

『Find Love』には 『For now committed to my therapy』 という歌詞が出てくる。 「現在セラピーに取り組んでる」 という意味だ。これはまさにそのまんまで、第8回インスタライブでもヒカルはこのあと精神分析に出掛けると言っていたし、「Switch」2018年…

地震雷火事親父→地震疫病核戦争?

昔は怖いものの代名詞といえば「地震・雷・火事・親父」だったが、目下の恐怖の対象は「地震・ウィルス・核・戦争」とかになるんかな。昔より物騒度が増しているなぁ。だが今も昔も地震はやっぱり怖いんだね。不動の恐怖の対象だ。地面が不動ではなくなる事…

『But I don't wanna be alone』?

『Find Love』には 『But I don't wanna be alone』 という歌詞が出てくる。普通にGoogle先生に訳して貰うと「一人になりたくない」という意味になるのだが、自分はこの歌詞にどうも違和感があった。というのも、昨年のヒカルは『PINK BLOOD』で 『自分のこ…

1st Love, 1 last kiss

今日は初期アナログ盤3枚の発売日。『First Love』『Distance』『DEEP RIVER』だね。 そして1年前の今日はEP『One Last Kiss』の発売日でもある。『最後のキスは』の『First Love』とその『One Last Kiss』("最後にもう一度キスを")の発売日が22年の時…