無意識日記々

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[今日の1枚] MOON SAFARI “Lover's End”(2010)

Lover's End

Lover's End

今日は昨日と打って変わって快晴!晴れ渡る澄み切った青い空!白い雲!そして吹きつける風っ。この雰囲気はもう今年味わえないかもしれない、ということで今年の夏を見事に彩ってくれたMoon Safariの登場とあいなりました。北欧のバンドでありながら、ビーチ・ボーイズ的なウェストコーストサウンド、つまり、あの分厚くも涼しげでゴージャスなコーラスハーモニーワークですよ、えぇ。あれが北欧らしいプログレサウンドに乗っている。時にアメリカン、時にヨーロピアン、時にブリティッシュという不思議なバンド。Grand Illusionも思い出したけど、やっぱりいちばん雰囲気が近いのは再結成IT BITESかな。アコースティック・ギターの快活なカッティングに、流麗かつ豊穣なキーボード・サウンド、煌くギターソロに案外激しく叩きまくるドラムス、きっちりボトムを支える分厚いベース、とロックバンドとしてのエッジをしっかりと備えつつ、あま〜いメロディで前編を飾ってみせてくれる見事なバンド。もう3作目で、しかもこれ去年の作品なんだけど、日本デビューしたのが今年ということで2011年のBrightest Hope最右翼。プログレッシヴかつポップ、という意味ではボストンやカンサスに通じるものもある。しかも、一曲聴いたら必ず全曲気に入るであろうというアルバムの統一感と一定した質の高さ、それなのにどの曲にも個性があってアルバム通して聴いても全く飽きるというところがない。凄い才能だな、、、と思うんだけど、どうにもいまいち、突き抜き切れない印象があってさー。なんというか、あんまりにもハーモニーとか、ギターとか、心地よいサウンドがありすぎて、それに浸りきってしまって、凄く歯切れのよいサウンドなのに展開の踏ん切りが悪いというか。ドラマティックな展開も、聴きようによっては、シンプルに料理すればヒット曲になるはずの素材をわざわざややこしくしてしまっている、と無理矢理ネガティヴに捉えられることも可能なような、、、ひとことでいうと、ぬるま湯っていうより「夢の世界」なんだと思う。ずっとここに浸りきっていたい、というか。凄く高いレベルでの不満なんだけど、そこらへんにまだ一皮剥けれる可能性が秘められているように思うですよ。(87点)