無意識日記々

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BLUEになってみただけ?

もう4年半も前の事なのでどうでもいいっちゃいいんだが、やっぱり気になる。離婚した頃から、いやその前、恐らく光が「私達もうダメだろうなぁ」と悟った頃から、光の発言が控えめになっていった風な印象があるのだ。

具体的に言えば、なんだろう、希望を語らなくなった気がする。若気の至りといってしまえばそれまでだが、例えば米国の中東侵攻に対する強い反対表明のような口調が影を潜めているというか。従軍慰安婦問題に触れたりとその後も危なっかしいのには変わりないのだが、こう、他者に発破をかける事が少なくなったというか。

なんというか、矢吹丈力石徹と死別した後暫く相手のテンプル(temple;こめかみ)をパンチ出来なくなったような、そんな感じを思い出すのだ。

それは、結婚して離婚した、という個人的なプロセスそのものより、結婚も離婚も世間に発表して注目を浴びまくった事に起因しているように思われる。男女が出会い、愛を育み、そして道を分かつ、という過程自体は今までも光は経験しているだろう。Automatic, Movin' On Without You, First Loveの3部作は、その経験を歌詞に取り入れたものだ。今回だけ別という事が、あるだろうか。

ここは、確かに難しい。結婚した位だから特別な恋愛だったのか、それとも今までとさほど変わらなかったのか。BLUEにおける『もう恋愛なんてしたくない』という叫びは、どこまで光の本音だったのか。

『もう何年前の話だい とらわれたままだね』
『あんたに何がわかるんだい』

………うーん。

Message from Hikkiを見てまず私が驚き、そして羨み妬み最も愛した部分は光が思いを「臆せず口に出している」事だった。誰もが思っていてもなかなか外に向かって発言できないような事を、何百万人という好奇の目に晒されながら軽やかに書き綴る度胸、勇気。こりゃ凄い、敵わないと思った。

今も、そりゃ普通からすりゃ結構思い切った事も言うケースもあるにはあるが、随分と口が重くなった。大人になって自分の発言の影響力を自覚し、責任感を…なんてのは既に15の時に備わっていた。光は最初っから責任をもって自分の発言を綴ってきていたのだ。「わかってなかった」とはとても思えない。

この"口の重くなった"理由を前の結婚離婚に求めるのは確かに無理がある。それ以降も順調に(かどうかは知らないが)恋愛生活を重ねてきているのだから。それでもやはり、口は重いままだ。何か、他に理由があるのだろうか。あの勢いよく飛び出してくる周りをヒヤヒヤさせるような、そしてだからこそ痛快極まりないああいった発言の数々は、2003年までの限定的なものだったのだろうか。

大人になったんだねぇ、で片付けたくない気持ちが、僕の心にはなぜかある。別に問題発言を面白がる趣味はない。平和なら平和な方がいい。ただ、長いメッセージを書いてる時のあの伝わってくる"楽しさ"みたいなものは、近年やはり薄れていた気がする。かといって、メッセがつまらなくなった訳じゃないから自分でも奇妙な感情だなと思うが、恐らく、要するに、「今ならもっと面白い事書けんじゃね?」と光に期待している訳か。まぁそれならひとに期待をかける前に自分が毎日面白い事を書かないと…ってこういう事を考えちゃうのが、きっと余計なんですねぇ。もっとお互い肩の荷をおろして気楽に発言する方が、いいんぢゃねーか。