無意識日記々

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Beautiful Worldの行方

EVAQがどうなるか。11年末の今の時点でもまだまだ何の情報も現れない。8月に来年12年秋公開予定と発表になったが、大半のファンは「急いで作るより質の高いものを」というスタンスのようだ。つまり、少々なら遅れても構わない、興行には影響がないとみるべきだろう。

こういう態度が表面化するのは、序破の作風に原因があると思われる。前世紀のEVAは、あの時代の閉塞感、とりわけあのアニメを観るような若年層の不安感のようなものを捉えたというか受け皿になったというか、切実な思いの数々を乗せて迷走暴走しまくった事が魅力だった。

それに較べ、今世紀のEVAは一大エンターテインメント作品である。勿論前世紀からの重々しいテーマ性も引き継いではいるものの、何よりもまずアニメーション映画作品としての娯楽性、カタルシスに重点を置いている。

こういう軸足の移動があっても作品の世界観が揺るぎないのがこのアニメの凄い所だが、ともかくそうなってくると確立したブランドとして特に時代の空気に乗り遅れるとかそんな事は考えなくてもいい立場になったといえる。娯楽の本質が、一年や二年のズレで薄れるなんて事は気にしなくていいのである。寧ろ業界全体を代表して時代を切り開き牽引する役割を担っているといえる。

その前提に立っていえば、やはり結局主題歌は宇多田ヒカルが相応しい。彼女の立場はもはや、少なくとも日本市場においては確立されており、時代性云々をいわれるキャリア、年齢ではない。堂々と娯楽性を追求した楽曲を提供すればよい。尤も、それならBeautiful Worldで事足りる為、来年秋の復帰のキッカケになるかというと微妙な所だが。

加えて考えたいのは、Utada Hikaruの海外展開である。アジアで宇多田ヒカルの国内盤が出ている地域はそうでもなさそうだが、英語圏での知名度の高さはかなりの程度においてKingdom Heartsが担っている。つまり、海外に輸出できるコンテンツとタイアップするかどうか、だ。EVAの海外展開については詳しく知らないが、光なら英語版のBeautiful Worldを提供する事もできるかもしれない。実現可能性は薄いが、僅かばかり頭の片隅に入れておいてもいいだろう。何しろ、2012年のアニメーション映画は例年にない激戦区になりそうだし、もしかしたらシーン全体が伝説化するかもしれないのだから光がそれに関わるか否かは否応なく注視しなくてはならなくなるだろうから。