無意識日記々

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優越感という愉悦

著作権は英語でcopyright、コピーする権利つまり"複写権"であった。モノによっては複写自体に特別な技能が必要なものから純粋な手間暇で購えるものまで様々だが、いずれにせよ複写自体に何らかのコストが掛かっていたのだ。インターネットが普及するまでは。

今や複写にはほぼほぼ何の技術も手間暇も要らない。クリックひとつでダウンさ、という感じ(それどんな感じ?)。最初のモノが文章であれ画像であれ動画であれ音声であれひとたびデジタルデータになれば複写して転送される。自分ちか世界中かの2択になっているのだ。著作物の運命は。

そんなもんだからWebで著作物を売ろうという人たちはDRMといって著作権保護機能、即ち複写制限を行うのだがこれが非常に評判芳しくない。前回も述べたようにお金のやり取りをした途端不便さが増すのである。そりゃ違法に無料でダウンロードしようとするわい。

しかしそんな世知辛いWebの世界で著作物で商売が成り立っている世界がある。ただテキストデータを有料で送りつけるだけという最も原始的な手法、メールマガジンである。日本でいちばん儲けているのは今獄中にいらっしゃるあの方だろうか。今はどうか知らないが少し前は彼の週刊メールマガジンに10000人規模の定期購読者が居たそうな。一通210円なので210円×52週間×10000人で何と年間売上100000000円を超える計算になる。1億円だ。

DRMだなんだという前にメール、即ち私信なのでもし執筆者に無断で公開すればプライバシー権の侵害恐れが出てくる。まぁ判例による、つまりケースバイケースらしいが、違法ダウンロード刑事罰の法案化だとか難しい新しいこと言わなくても旧態依然の法律で十分に争える訳だ。第一、メールマガジンというのはお金を払って、"他の人の知らない事"を優先的に教えてもらう権利即ち"優越感"を購入しているのに他の人にタダで読ませてあげてたらその価値が落ちてしまう。そもそも無料で公開するインセンティブが低い訳だ。

これが音楽だと事情が一変する。自分の好きな曲は他者と共有したいという感情が強くはたらくからだ。メールマガジンでみられるような"優越感"に浸れるのは辺境のプログレを発掘して悦に入るようなマニアだけだろう。悪かったな。それは、実は制作者からしてそうだったりする。特に他に収入を得られる仕事を持っている作曲家にとっていちばんのインセンティブはダウンロード数や再生回数だろう。誰がわざわざ金なんかとるものか。聴いてもらってなんぼだというのに。

このように、"知識"を得られるメルマガなら違法ダウンロードに悩まされる割合は相対的に低いが、音楽という"共有や交流を促す娯楽"に関しては違法ダウンロードはやはり悩みの種になる。

この悩みの源泉は、実はラジオとテレビにあるのだ。特に海外のサイトでアニメをタダで見られて問題になっているのは、そもそもが日本国内でタダでアニメが見られているからなのである…ってやっぱこの話長くなる! また今度続き書くね〜。