無意識日記々

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とってもボヘミアンなエントリー

20世紀を代表する楽曲って何なのだろうなぁ、とふと思った。私の視点から見るならば、20世紀はロックが生まれた世紀、というのがいちばん大きい。いやそりゃ宇多田光が生まれたのがいちばん大きな事件だが取り敢えずそれは置いておこう。

となると"ロックを代表する名曲"を1曲挙げたくなるが当然の事ながらこれを絞るのは極めて難しい。ならば"ロックを象徴するバンド"の代表曲を選ぶという二段構えでどうか、となる。それならThe Beatles一択なのだが彼らの楽曲から1曲選ぶのもまた極めて難しい。五輪開会式で70歳のポール・マッカートニーが歌ったからHey Jude、という訳にもいかない。いやこれじゃ埒があかないからまぁ彼らを上回る売上記録も一部に持つQueenから一曲選んでおくか、それならBohemian Rhapsodyだな、いや待てよ、それを言うなら…

…という風にとっちらかるのがいつもの事なのだが、では100年巻き戻って"19世紀を代表する曲"なら決められないか。私は一応決めてある。ドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」だ。兎に角ドキャッチーなこの曲は、日本人にとって最もポピュラーなクラシック曲のひとつだろう。ベッタベタだが、それがいい。わかりやすくて何が悪い。みんなが知っててみんなが絶賛し、且つ俺も大好きだ。ならそれでいいじゃないか。

この交響曲第9番のタイトル「新世界より」の"新世界"とはドヴォルザークが移り住んだアメリカの事だ。Wikipediaから引用すると「新世界アメリカから故郷ボヘミアに向けてのメッセージ」という意味があるそうな。

新天地から故郷へ向けての曲、か。そういえば光にはそういう曲がないような。EXODUSという"移住"或いは"出国"というテーマをアルバムに振り掛けた事はあっても、ではアメリカ側から日本を眺めた曲というのは、そういえばない。更には、アメリカから日本に帰ってきた時に日本からアメリカを眺めた曲やテーマもない、かな。確かに、何となくピンと来ないような気もする。

今日のツイートでも五輪女子蹴球決勝が日米対決と訊いて(フクさんリプおめ&ぐっちょぶ)すかさず日本を応援する旨表明していたが、何だろう、実は光って(ひかって、じゃないぞ)もしかして人生の中で"引っ越しきった"事がないんではないか。つまり、住処があって、そこを後にして新天地に移り住んで昔を懐かしむ、みたいな定点感覚が希薄なんじゃなかろか。常にシャトル状態だと"いったりきたり"状態が自然になってしまい、故郷という感覚が薄らいでしまう。ある意味、故郷を無くしたボヘミアン(自由人)という事か。だから故郷を捨てる感覚もないし、新天地という感覚も薄い。A地点からB地点へと移動しただけというか。なので、逆にどこに居ても傍に居てくれる気がする。彼女はどこに行っても何も変わらないのだから。

そういう彼女をいちばん遠くに感じるのは、南極に行った時でも月旅行した時でもなく多分"英語を話している時"なんだろうな。最近は一瞬で戻ってきてくれるから忘れがちだが、どんな距離より国境より話す言葉の壁の高さがいちばん高い。ずっと英語で光が話していた時に多分我々は彼女がまるで新天地に旅立ってしまったような感覚を覚える。なので、とにかくローマ字のKumaと英単語のBearだけは覚えておいた方がいい。というか、もう各国の熊の単語を片っ端から覚えていった方がいいかも。そうしておけば、光は行く先々で必ずクマの話をするから、ちょっぴりだけ寂しさが紛れてくれるかもしれないよ。