無意識日記々

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※ Q未体験者は閲覧覚悟その1

ここで新曲と全く関係ない話題を進めたら猛者かと思ったがそこまで奇を衒う事はせず。

宇多田ヒカル2年ぶりの新曲「桜流し」が発表になった。2日間でYoutubeの再生回数は220万回を超えるなど注目度は抜群である。参考までに、Goodbye Happiness PVが100万回再生に到達するまでに10日間掛かった。それを考えると凄まじいスピードである。Twitterの普及拡大、EVAQのネームヴァリュー、宇多田復帰待望論、金曜深夜の公開開始など様々なファクターが重なり合った結果だろう。そして即配信販売開始、フルヴァージョンのUTUBE公開は3日間限定、そこから一週間でPVの配信販売開始、そこから1ヶ月後になんとDVDシングルの発売と流れるようなプロモーション体制だ。梶さん、やはり仕事の出来る男…。

DVDシングルでの発売は、河瀬直美を監督に迎えた映像への自信と、最早CDシングル市場は音楽やアートの為の場所ではなくなったという判断からだろうか。発売一週間でのアナウンス効果を最大にする目的なら正解だろう。また、ヒカル本人がプロモーション活動を行わないことの補完でもあるか。PVにも一切登場しないし、アートワークは貞本御大の書き下ろしであり、結局今のヒカルの姿はどこにもない。ロンドンで観劇した際もサインなどには快く応じたものの撮影は遠慮したという事だったが、音源は発表する代わりに自身近影は徹底して公開しない事で人間活動の線引きを行っているのだろうか。DVDシングルを年末に発表するのはどういう戦略かはわからないが、この3日間の動向次第で生産数を決める為かもしれない。5週間。確かにデッドラインギリギリではある。

さてそんな新曲「桜流し」だが、結論からいえば素晴らしい。ただ、少し存在感がありすぎるようにも思える。それはまるで、「Casshern」に対する「誰かの願いが叶うころ」のようだ。余りにも映画について雄弁に語り過ぎ…いや、映画の行く先までも語り過ぎているようにすら思える。

桜流し」。このタイトルの言葉の選び方だけで私には十分だった。MTVとHikki_Staffがこのタイトルをツイートしたのを観た瞬間に、私はEVAQが自分の期待していた方向とは違う方へ進んでいるであろう事を悟った。であるならば確かに今回はBeautiful Worldには成り得ない。それはつまり、次回作「シンEVA:||」にも新曲を提供しなければならない可能性を強く示唆する。ヒカルはもう取りかかり始めているのだろうか。「桜流し」が完成したのは今年の9月というからまだ早いか。この4部作をヒカルの楽曲がどう締めくくるか。その視点を携えながら次回から「桜流し」についての話を始めたいと思う。