無意識日記々

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やっと金曜の午後に合った!(嬉)

そういやtravelingの歌唱の話をするんなら、travelingという曲についての話を先にせんならんのか。どうしよう。例えば、Bメロのハミングは1番では右チャンネルから、2番では左チャンネルから聴こえる、とか、『(飛び乗る)』は左チャンネルからで『(閉めます)』は右チャンネルからだとか、そんな話すらこのblogではしていない。多分、今初めて書いた。んでもこういうのずっと書いてたらただでさえ回り道気味なのにもっと回り道になるな。抑えて行こう。

前までの復習。最初の『仕事にも精が出る 金曜の午後』の最大のポイントは『 』である。ええっと「る」と「金」の間の半角スペースだ。ここだけを聴いてくれればいい。ここでヒカルは「る」からエアをすっと抜き徐にブレス、息継ぎをする。ここのリズム、ここのリズムがこの歌の最大のポイントのひとつだ。大事なコトだから2回言ったぞ。ここに耳を澄ませば、歌い手が如何にこの歌を楽しんで歌っているかが伝わってくる。日本語でいえば「さんはいっ!」とか「せーのっ!」っていうノリである。ここで笑顔にならないでいられなくなるのが、ポイントなのだ。何故ってそういう歌詞だから。さぁこれから楽しいコトが始まるよ!ってかもう始まってるよ!という気持ちが溢れ出ているのがこの「る」と「金」の間のエアとブレスのリズム、コンビネーションなのだ。実際のレコーディング風景なんて知る由もないが、ヒカルは間違いなくここは笑顔で録音した筈だ。そう思い込んでる私。まぁいいじゃないか。

こういう歌詞だから、と書いたが、もしかしたら、いやもしかしなくても順序が逆なのかもしれない。この歌のAメロの「はっじまっるよ〜♪」(CV:勿論三上枝織)な感じを表す歌詞はないかと考えてみたら金曜の午後がぴったりじゃないか!となった…そういう順序だと。

いやね、制作の順序なんて二の次だ。二番目に重要である事も間違いないのだけれど、いちばん大事なのはまずメロディーと歌詞が合っている事。当たり前過ぎてわざわざ言わないような点だがだからこそ強調しておきたい。歌はメロディーと歌詞が如何に合わさるか。自然にそうであるべき所に収まるか。それによって歌は歌になる、のだ。ヒカルの苦心惨憺の94.3%はここから出でていると言っても過言ではない。

なのに。なのに、である。それだけ頑張った歌詞よりも何よりも、この"楽しそさ"をいちばんよく表現しているのが歌詞でもなければメロディーでもない、その狭間のエアとブレスのリズムなのだ。これは皮肉か?それとも理想の実現?? この、ヒカルがリズミカルに息を吐いて吸うほんの0.何秒の間合いを耳にして、日本語のわからない世界中の人がtravelingの中に惹き込まれていく。考えただけで楽しさで身悶えしそうだ。そして、そのフィーリングこそtravelingの真髄なのである。「この歌の最大のポイントのひとつ」と力説したくなっても仕方がないかな、とほんのちょびっとでも思ってくれたなら、私は嬉しい。そして楽しい。