無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

先端技術と、そうでもないもの。

3Dプリンタ知名度が上がっているようだ。かなりの低価格で提供できるようになった事が影響しているんだとか。携帯電話に続き、如何にも21世紀という技術がいよいよ出てきたなぁという感じ。

映画館やテレビなどで持て囃されてきた「3D」に対して「あれは3Dではない」と一貫して否定的な態度を取り続けてきた当欄だが、3Dプリンタに関しては当然の事乍文句のつけようもない。寧ろ、この3Dプリンタの技術の方が「本物の3D映像」に対してより近いような気がしている。今のところ立体成形は樹脂を基本としているらしく、そのままでは動画は無理だろうが、例えばこれが「立体液晶」のようなものが使えるようになれば、或いは動画に近付けるかもしれない。いずれにせよ3D映像に関しては、2D映像に関しても多数のアプローチがあるように(ブラウン管や液晶や何やら)、これから様々なアプローチが取られるだろう。

映像ソフトが、今のメガネをかけるのではない、こちらの"本物の"3D映像にシフトするにはあと何年かかるか、そもそもシフトするのかというのは結構わからない。例えば、漫画という文化は寧ろ映画よりも後から勃興してきた印象がある。動く画面より、紙に字と絵を書いたものの方が"古めかしい"のは明らかだと思うが、今の日本の漫画界の盛況ぶりは「そういう話じゃないんだよね」と言っているように思えてならない。

ミュージシャンも、何やらデジタルがどうのインターネットがどうのと最先端の方に意識がいきがちだが、なんだかそっちじゃないと思う。ミュージシャンかどうかはともかく、AKBの成功は「会って話して握手が出来る」というアナログでアナクロな手法を前面に押し出した事だった。人が魅力に感じる事は、技術が進歩しても全部変わる訳ではない。

ヒカルの場合、様々な技術の牽引役として時代を象徴してきた。CDシングルが8cmから12cmに切り替わる過渡期、VHSからDVDへのスイッチ、ストリーミング生放送の先駆け、iTunesMusicStore、着うた、Youtubeフルコーラス配信など…CMでもFOMANintendoDSなど時代の顔と共に生きてきた。これからもその流れはある程度維持していくだろうが、歌手という古典的な職業に居る以上、そっちばかりじゃいけないと思うのだ。ほんのちょっとの捻りを加えて、古めかしいものをイキイキと提示してみせる―そんな方法論が、思いつかないかなぁ。本来なら、今ここでこちらから提案して然るべきなんだけどねぇ、、、。