無意識日記々

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月一1時間

月一というペース、これはFMで"音楽番組"をやるにあたってかなり重要である。

まず整理しておきたいのは、FMラジオというのは「取り敢えず曲をかける」というのが日常茶飯事な為、何が本当に"音楽番組"と呼べるのか、いや、私がその番組をいつ"音楽番組"と呼ぶのか、という点についての話である。

私にとって「音楽番組」とは、「合間のトークや企画も総て音楽に関連した話題である番組」の事である。呼んでいるのが誰であろうと、トークの内容が音楽以外の内容が主体ならそりゃ「トークの合間に息抜きに曲をかけるトーク番組」であって音楽番組とは呼ばない。ピーター・バラカン渋谷陽一のように、曲と曲の間に入る喋りが曲の解説やらアーティストや作品のエピソードになっている番組をこそ音楽番組と呼びたい。

その意味に於いて。その意味に於いてKuma Power Hourが音楽番組であるかどうかは結構重要である。言い切ってしまえば、ファンのニーズは殆どない。宇多田ヒカルのファンがヒカルのラジオ番組に期待しているのは宇多田ヒカルのお喋りだ。あの声が喋っているのを1時間タップリ聴きたい筈である。ぶっちゃけ、1時間の中で音楽を掛けるのだなんてヒカルの曲を(UtaDAの曲ですらない!)1〜2曲掛けてくれれば十分だ。よくわからない60年代のカビの生えた洋楽を鳴らされても退屈なだけである―って書こうとしたんだけどみんな優しいからなぁ…ヒカルの好きな音楽なら取り敢えず聴いてみるかみたいな空気になるのかな…まぁそれはいいや、それで。

何が言いたいかというと、このままでは大半のファンにとって「あんまり期待通りでない」「思ってたのと違う」番組になるかもなぁ、という事だ。恐らく、最もニーズに応えるのは、生放送で、Twitterと連動していて、リスナーとヒカルが当意即妙のやりとりをしながら盛り上がるトークと企画(ゲームとか対決とか)中心の番組だろう。それに簡易動画配信でもつこうもんなら大盛り上がりだ。

しかし、現実には、生放送ではなく収録で、従ってTwitterとの連携もなくヒカルからのリアルタイムなリアクションもなく、ゲームで大騒ぎする事もないしまさか簡易動画配信なんてありそうもない。30歳のヒカルが淡々と、いや時には興奮気味に、最近自分の気に入っている曲をかける、まぁいわばトレボヘの「This Week's Top 2」みないなのが1時間続くような番組が予想される訳だ。ここを読んでいるようなコアなファンは「いいじゃんそれ!」とテンションが上がるだろうし、何より私自身「何という俺得番組」と今から舌嘗め摺りが止まらないのだが、この人は120万という規模のフォロワーを抱えた人なのだ。圧倒大多数はそんな風に考えないライトファンだという事はお互い肝に銘じておきたいものである。

話が本題から逸れてしまった。簡潔に述べておこう。「音楽番組」にとって月一回一時間の放送とは何を意味するのか。それは、無理に、或いは無為に流す曲がひとつも挟まらないという事だ。どういう事かというと、音楽ファンなら普通に過ごしていれば1ヶ月もあれば1時間分の選曲というのは自然に出来てしまうのだ。これが一週間に1時間だと途端にキツくなる。また、そのペースだとついつい"今旬の云々"という観点から選曲してしまいがちになるのだが、これが月一だと時流とは別の時間の流れの中に身を置く事になり、じっくりと選曲を吟味できるようになる。つまり、月一1時間放送となる事で、より純粋に「宇多田ヒカルが今好きな音楽」を聴けるようになる、という訳だ。いやはや、もしそうなったら実に嬉しい。月に一回、私は至福の時を過ごす事になるだろう。


でも現実は、そんな極端ではなく、トレボヘのレギュラーみたいなバランスになると思いますよ。ただ、今のInterFMのブレインはピーターバラカン氏なので、やや09年3月のトレボヘスペシャル寄りになるかな、という気はする。月一1時間というフォーマットは、そこらへんを睨んだ上でだろうなと勘繰る次第である。