無意識日記々

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混ざり具合を確かめに

2ちゃんねる等の匿名発言にメクジラたてて怒り出す人は後を絶たないが、難しいのは、ああいった場にある発言が総て目も当てられないような事実無根な話ばかりかというとそうでもないところだ。

もしあらゆる指摘が総て的外れであれば耳を傾ける価値もなく、怒りも湧いてこないだろう。そもそも、そんな場所に人は集まらない。何らかの有益な発言も混ざり込んでいるから人が集まるし、影響力も出るし、したがって怒りも湧いてくる。その混ざり加減の紛らわしさに逆上しているという自覚がもてないと、後は延々議論という娯楽で時間を潰していく事になる。何とも、厄介だ。

更に事態が難しいのは、では、毒気を抜いた場所に有益な情報がどれだけあるかというとこれがまたどっこいどっこいなのだ。何らかの(人力であれ何であれ)フィルタリングをかけられた場所に残る発言は大抵が定型句で、Botと余り変わりがない。不快にはならず、機嫌もよくなるかもしれないが有益かと言われるとどうかな…。機嫌よく過ごせるならそれに越した事ないじゃない、と言われそうだがそれなら今すぐインターネットの電源を切るんだ。それはそれは信じられない程の安寧があなたを待っている。

ヒカルの場合デビュー当時からあらゆるフィルタリングを拒否して現在に至る。誹謗中傷罵詈雑言清濁併せ飲んできた。ある意味、誰よりもインターネットから得られる情報の数々を処理する能力が高い筈である。ただ、こうやって離れていると、自分自身に対するリアクション、フィードバックがみられなくなっていく。こちらから何らかのアクションを起こさないと"忘れられて"いって、果たして今情報の質がどうなっているかわからなくなるのではないだろうか。

なので、卓越した処理能力の為その頻度は極めて少なくて済むとは思うものの、ヒカルは自分から発信してその反応を窺う、という行為を止める事はないだろう。出来るだけ常にアップデートしていないと、玉石混交の取捨選択に迷いが生じてくる。そこらへんの勘は、大衆を相手にするPopミュージシャンとしては大事にしたいところ。これが芸術家肌の人間なら、スイッチを切って、欧州の片田舎にでも籠もって外界からの影響を遮断してじっくり作品作りに取り組めばよいのだけれど、そうじゃないんだから仕方がない。


なので、今ツイートがないのはヒカルが相互作用によるリアクションやフィードバックを必要としていないからだろう。必要になったら、またその時現れてくれるさ。