無意識日記々

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まるで遠い国の出来事

先程Webで読んだ記事。「ウィーン大学フィンランド語を学ぶ学生の動機の97%が"メタルを聴きたいから"」だそうな。数字の信憑性は兎も角、ありそうな話だな、と思った。こういう内容の記事が世に出る、って事がね。それ位、フィンランドはメタル輸出大国なのだ。

これは多分、「ジャパニメーションを看たいから日本語を勉強する」のと近い。いやまぁフィンランド産のメタルって殆どが英語を歌っているしインタビューも英語でこたえているから英語わかれば問題ないとは思うんだが人は纏めて憧れるものだ。あれだけメタルの生まれるフィンランドという国は一体…!?という感じでフィンランドに興味を持った帰結だろう。興味をもってもらわなければ始まらない。

J-popに関しても同じような現象が…00年代初めは言われてたようにも思うが、今は大体がアニメのヒットにアニソン歌手として連れていってもらう形で海外に出ているのが現状だろう。あんまりなさそう、というのが正直な所。今後どうなるかはわかりませんがね。

Utada Hikaruなら、そういう効果も期待できるかもしれない、と言いたいところだが光が幾ら頑張っても結局は単発である。先に述べたように、人は纏めて憧れる。あれもこれも、と集団で出てきて初めて「何なんだ!?」となる。天才がイレギュラーに出現しただけではそれっきりである。こちらはそのそれっきりにかかりっきりなのでそれで十分なのですが。

もうひとつ、フィニッシュ・メタル(フィンランド産メタル)から学ぶべき、いや、うちらは学ぶ必要のない話がある。彼らの多くがデスメタル系をルーツに持っている事だ。何が大事って、ヴォーカルの英語の発音が訛ってても誰も気にしない、気がつかないって点。非英語圏の歌手の海外進出の最大のボトルネックは英語の発音だが、それが問題にならないのだ。

日本でもその点を巧く利用した(結果的に、だけど)バンドが居る。Dir en greyだ。彼らをデスメタルというつもりはないが、あのエキセントリックなヴォーカルスタイルは英語の発音云々を超えている。海外で受け入れられるのもさもありなんである。フィンランドや日本に限らず、非英語圏のあらゆる国に通ずる真理だろう。海外進出の意外な突破口である。

勿論これも、Utada Hikaruには関係ない。光の英語発音はご存知の通りだ。となると、Hikaruって多分、今後日本のカルチャーが海外でウケたりするムーブメントが起きても、殆ど影響を受けないのではないか。海外進出の為のノウハウ、という点に関して共通項が薄く、その為十把一絡げに扱われない。いい点もそうでない点もあるだろうが、そういう見方から予め開放されておくのは、ひとつの手段かもしれない。日本語の歌を歌ってはいても、つまるところ、Utada Hikaruは最初っから地球規模の歌手なのである。