無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

biography with autographing

UTADAの活動の何が羨ましかったかってファンとの距離感の違いだろう。いきなり売れてしまった宇多田ヒカル様は奥に隠されて直接触れ合う機会なんてなかった。UTADAの方はそんなこともなく…というのは言い過ぎだが、中止や延期になったものも含め所謂日本で言う"インストア・イベント"なるものが繰り広げられた事は、日本のファンから羨望の眼差しで…ってそれ自体あんまり把握されてないような気もしなくもないが。

お陰でわかったのは、本人が案外サインするのは嫌じゃない、寧ろ嬉しい位だという事だ。日本だとそんなことしようもんならキリがない、と止められていたらしいが、Hikaruは満更でもなかったらしい。まぁ確かに二万通を超えるぬりえ総てに目を通す根性の持ち主なので、「くまー」と挨拶して色紙を出せば喜んでサインしてくれそうではある。色紙の端っこにスーパークマンズのイラストなんかをちょこっと書いておけばばっちり食いついてくれるだろう。あんまり上手く掻きすぎると「この色紙くれない?」と訊かれてしまうだろうな。なんちゅう本末転倒。でもそうなったらそれはそれで。

そういう、"極普通の"アーティスト活動が出来ていたのが「This Is The One」の頃で、地道な取材、テレビラジオ出演、上記のようなイベント開催、Webでのコンテストなど、非常に順調な活動の延長線上というか集大成だったのがツアー「In The Flesh 2010」だった。同ツアーでは、ファンのテンションが非常に高かった事も話題になったが、英米欧のファン気質に加えて、こういった地に足のついた活動の成果が出た結果だった、という事もいえるのかもしれない。足で稼いだファン層はやはり体質が違い、物見遊山は少なく、非常に熱心だ。日本では、地上波テレビのような巨大メディアに依拠した売れ方もした為、結局そういった「足腰の弱さ」が見え隠れするようになったかと思う。出来れば、名義がUtada Hikaruとなった今後は、日本以外のみならず日本でも、気軽にサインに応じて貰えるような活動を期待したいもんだが、うーん、流石にそれは無理なのかなぁ。ソフトが売れなくなっても、一度栄華を極めた名声は消える事がないのだから…