無意識日記々

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「流行歌」

今の若い子たちには「流行」っていう概念はあっても「流行歌」っていう言葉にはピンと来ないんじゃないかおはくまぼんじゅーる。

例えば今年の流行語大賞の候補には「今でしょ」とか「じぇじぇじぇ」とか「倍返し」とか色々すぐ思い浮かぶけれど、今年の流行歌って何だった?と訊かれても何も思い付かない人が多いんじゃないか。幾つか浮かんでどれにするか決めあぐねるのではなくてそもそも候補すら居ないという。「流行歌」って言葉は死語になっちゃったんじゃないだろうか。

14年前の1999年は全然違った。この年の流行語大賞は「ブッチホン」「雑草魂」「リベンジ」だったらしい。14年後の今年にいちばんのピークを迎えた上原は凄いなぁと余計な感想を抱いてしまうが、この3つ例えば女性陣には全くピンと来ないのではないか。政治と野球の話ではねぇ。しかし、「1999年といえばだんご三兄弟宇多田ヒカルが大ヒット」と言えばかなりの人が「あーその年か」となる。流行語大賞が霞むくらいに歌の勢いが凄かった…"最後の"年の話である。

この風景の変わりように対して、若い子はそもそも知らないからいいとして、50代60代の人たちは気にならないのかなぁ。若い頃はそれこそ「歌は世につれ世は歌につれ」だったと思うんだけど。何か不思議な感じがする。

ヒカルがデビューした時は15歳でまさに新世代のスーパースターだったのだが、今こうして眺めてみると逆に「旧世代の最後を華々しく飾った歌手」という方がしっくり来る。千年紀の最後の年というのもまたハマっている。20世紀最後でもまぁいいか。

その感覚を、今後どこまで使うか。つまり、今の若い子たちにアピールするよりは、今40代以上の"年上"に向かって、旧世代なりの"流行歌"を提示した方が、案外ウケがよかったり…しないか。そういう考え方がそもそも滅んでしまっているのだものな。

しかし、それにしても、だったらこれからは、どこらへんをリスナーとして想定すればいいのやら…やっぱり20代後半〜30代なんかな。それも、みんな歳をとってゆく。これからどんな風にパースペクティヴが変わってゆくか、誰にもわからない。