無意識日記々

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ちょっとこうかいしてるはなし

ぼくはくまFINAL DISTANCEの話に続いてFor Youについても熱く語りたい衝動に駆られているが後回し後回し。でも、この3曲並べると「あぁ、この人は宇多田ヒカルのそっち側が好きなんだ」っていう風には感じるのよね。そっちってどこらへんなのか説明できないんだけど。いや私それが役目なのにね。御免。


明日はONE PIECE最新刊の発売日だが、きくところによると今日はIRON MAIDENが5枚目のオリジナルアルバム「Powerslave」をリリースしてちょうど30年だそうな。今聴いても彼らのベスト・サウンド・プロダクション・アルバムだと思うのだが、楽曲的にも最初と最後の名曲ぶりには反吐が出る。慣用句じゃなく吐くくらいでしかその凄さは表現出来ないという意味だ。冒頭の「撃墜王の孤独」は空を支配する孤高の名曲で、最後を飾る「暗黒の航海」はサミュエル・テイラー・コールリッジの詩を下敷きにした(そういう意味ではポーのぺちゃんこ…じゃない(苦笑)、ポーの詩「大烏」を下敷きにしたKremlin Duskに通じるものがある)呪われた海の暗黒寓話を13分にも及ぶ長尺の楽曲で表現しきった、個人的にも最も影響を受けた楽曲のひとつで、後のバンドたちの大作主義の手法を決定付けたエポックメイキングな曲なのだが、何が言いたかったかというと海賊と航海の話をしたので『海路』っていい曲だよねという。素直に
そこから入ればよかった。まぁ日記なのでご容赦を。

あの曲は決してシングル向きではない。「ヒカルは別にオリジナルアルバムを制作してるんじゃないん(ひたすら一曲々々を全力で作っているだけ)だから今後リリースするLPはシングル・コレクションだけでいいんじゃない?」と言ったりもしている私だが、その理屈に従うとこの『海路』は永久にリリースされなかったかもしれない。次の『WINGS』も同様である。全然シングル向けじゃない。しかし私にとって「この2曲の無い人生なんて考えられない」という程の曲なのだ。

元々、こやつ(私)はアルバム大好き人間である。何曲もが連なってひとつの大きな世界を作り上げる様を味わいたい。なので、勿論ヒカルにはオリジナル・アルバムを作って欲しいのだが、彼女は一曲々々を常に新しい生命として捉えている。執念で完成までもっていく姿はまるで子育てをする母親のよう。そら没曲金閣寺だけになりますて。そんな感じなので"アルバム"という世界観を意識的に作り出している訳ではない。結果的にオリジナルアルバム(それも日本語で歌われている中では最高級のもの)になっているだけで。それならもっと一曲々々を活かせるプレゼンテーションをすればいいんじゃないのという話だ。

しかしそれで『海路』や『WINGS』が世に出ないのでは困る―んだけど、そうね、WINGSがキプトラのカップリングだったみたいに、シングルをリリースする時(配信でも)カップリングとしてリリースしてそれをシングルコレクションに入れちゃえばいいわね。解決だな。(なんなんだ一体)

そもそもカップリングというのは、アナログレコード時代の"B面曲"の風習をそのままCDシングル時代にも引きずっていたものだ。若い子たちはピンと来ないかもしれないが、アナログレコードはCDと違って盤面の裏表両面に音楽を記録できるので、表(A面)に1曲入れたとすると裏(B面)がまるまる無駄になってしまう。そこで穴埋めの為に収録されたのがB面曲だ。従って、片面にしか音楽を記録できないCDシングルに2曲目をカップリングとして収録する必然性は無い。配信に至っては何をかいわんや。しかし、それによって今後も「シングル曲にはなりえないけれどとても大切な曲」を人々に届ける方法論として、是非カップリングという習慣を残して欲しいものである。あれ、海路の話するつもりだったのに全然違うところに来ちゃったよ。これだからグランドラインでの航海は暗黒なんだな。黒い波打ってたものさっき。