無意識日記々

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人気の集中と分散

プロ野球人気の低迷が言われて久しい。いや若い人たちにとってはそこまで人気スポーツであるという認識も薄いかもしれない。とはいえテレビのニュースでスポーツを取り上げる時にいちばん尺が長いのはプロ野球だからまだまだ人気があると言ってもいいのかもしれない。

たぶん、単純に、地上波テレビの視聴率が落ちたから人気低迷という話になっているのだろう。中継も減った。だからといってプロ野球自体の人気がというのは早計だ。

これも単純に、人気が分散しただけだろうと思われる。全国ネットのプロ野球テレビ中継といえば読売戦だった。それが減ったのだからプロ野球人気というより読売の寡占が解れたとみるべきだろう。北海道日本ハム東北楽天福岡ソフトバンクとどんどん東西南北に人気球団が広がっている。阪神の異様な盛り上がりは相変わらずだし、今年は広島が話題を振りまいている。プロ野球人気が落ちたのは全国ネット地上波テレビ中継の話であって、フランチャイズは昔よりも活気があるのではとすら思えてくる。


邦楽市場の人気にも、似たような所があるかもしれない。CDが売れなくなったと連呼されて久しいが、興行面では昨今が歴史上最高の盛り上がりをみせている。こんなにたくさんのコンサートが開催されていた時期があっただろうかね? 武道館でコンサートを開く人たちのうち、何%を皆さんご存知だろうか。半分以上知ってたらかなりの芸能界&洋楽通であろう。

これも、プロ野球と同じ構図だ。CDの売上の話は総て全国集計で、中央の視点から見たものだ。実際の小売店は全国に散らばっているとはいえ、ね。情報の発信源が中央なのだ。プロ野球のテレビ中継もしかり。要は日本テレビの視聴率が落ちているという話であって、例えばサンテレビ(甲子園での阪神戦は総て試合終了まで必ず中継する放送局。“以降の番組2時間繰り下げ”とか平気でする。)の視聴率が低迷しているというニュースは聞かない。


勿論この国はかなりの割合で中央集権だから中央の事情が全国に影響を及ぼす面は否めない。ただ、今のトレンドとして、局地々々が活性化しているのに、中央がそれを掬い取れていない(要は自分の事しか視野に入ってない)ケースが目立ってきているのかもしれない。毎度私は「J-popというジャンルは死に体」と言っているが、それは常に統括的な意味であって、ひとつひとつのミュージシャンやアーティスト、アイドルは実に元気に活動している。国と地方自治体、というのとは若干異なるが、中央のデータ集計に届いていない局所々々の動きにも注意わ払うべきだろう。局所性という概念は、こういった面でも重要である。