無意識日記々

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Live Size Sigh

Hikaruが"pop"を旗頭にしていなかったらなぁ、とこの15年で何回思ったかわからない。彼女の音楽を楽しむ為には、全国規模でライブハウスツアーをやれる位の満遍無い人気と、そこそこの次回作への資金があればいいんじゃないかと。いつもライブハウスで間近に見られて、新曲も聴けて、という状態が成立していればもうそれで十分…というか今より幸せかもしれない。ライブハウスで次見れる機会が本当に来るかどうかわかんないんだもんね。ずっとPop Musicianとして人気があるままだったらアリーナ以上、ホールで見られたらもうそれはという位。

皆に訊いてみたいものだが、Hikaruの歌をLIVEで聴くとして、いちばん嬉しい、或いはいちばんエキサイティングなのは、実現可能性を無視した場合、どの形態だろう? 部屋で直に私1人の為に歌ってくれる、というのから、ホームパーティーで庭で10人くらいの聴衆を相手に弾き語り、なんてのもあり、ダイニング・バーで数十人を相手に3、4人のアコースティック・バンドを従えて、更には200人くらいのライブハウス、500人くらいの、1000人のスタンディングライブ、ホール、アリーナ、スタジアム、そしてフェスティバル…数十万人の観客を相手に歌うのも想像してみる。どこらへんがいい?

具体例でいった方がいいか。20代はイケイケ!を直でスタジオで観る、MTVアンプラグドに当たる、On Air East(現O-East)のシークレットライブに当たる、In The Fleshを見に行く、最初の赤坂BLITZ、LuvliveのHeatbeatやZepp Tokyo、そしてウタユナの各ホール、武道館、横浜アリーナ代々木第一体育館さいたまスーパーアリーナ、そして千葉マリンスタジアム…どれがいい? どれがよかった? どれが羨ましかった? キリがないけれど、あなたのいちばん観たいサイズはどれだろう。

近ければ近いほどいいようにも思えるが、観客は多ければ多いほど盛り上がるし、照明や舞台装置も凝れる。だから大きい会場のライブの方が好きだという意見も頷ける。

だがまぁしかし、声量で圧倒するタイプではないし、ギミックもステージセットも別に要らない、TシャツGパンで出てきて歌だけ歌って帰ってくれればいい、というのが、そうだな、少なくともここの読者の多数意見はそこらへんじゃないだろうかという気はしている。どうかな?

さっき、観客は多ければ多いほど盛り上がるとは言ったが、一概にはそう言い切れない。何万何十万人ともなれば後ろの方は盛り上がれという方が無理だ。人数は多いだろうが、熱狂の密度は下がる。

In The Fleshで体感したのは「熱心なファンを1000人集めるとこうなるのか」という事だった。一曲々々への反応がやたら濃いのだ。みんな待ってた飢えていたというのもあるのだろうが、あの人数だと「テレビで観た有名人だから」とか「とりあえず来てみた」みたいなテンションは少数派になってしまう。日本のコンサートは、抽選も多かったからかもしれんが、そこまではいかなかった。居心地良いぞ、あれ。皆曲知ってるからな。カバー曲やった時とのテンションの落差たるや(笑)。


という訳で、私の好みだと、数十人〜千数百人位までのスケールでHikaruを観るのがいちばんいいかなという感じ。衣装とか化粧は要らない。巧いギタリストと巧みなパーカッショニスト、欲を言えばピアニストでも来てくれれば十分だわい。何年に一回かストリングスを呼んだライブでもしてくれれば。

…という嗜好なので、ライブを楽しむという視点からだけだと、「Hikaru、売れなくなってくれないかなぁ」というネガティブな願望が口をついて出てしまうのよ。だから、Pop Musicianとしての成功は痛し痒しで…


…いや勿論、人生はライブを楽しむだけではない訳なんで、次はスタジオ・レコーディングについても考えてみないとね。全部を見渡した上で、私自身全体の願望を審らかにしていこうか。