無意識日記々

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ソニーミュージックレーベル"ズ"

ソニー・ミュージック・エンターテイメントには「音楽レーベルの集合体」というのがあって、それを「ソニーミュージックレーベルズ」と呼んでいる。集合体だから最後の「レーベルズ」の「ズ」が重要だ。

ヒカルが所属するのはその「レーベルの集合体」のなかの「EPIC」というレーベルだ。一口に「SONY」といっても、色んな離合集散吸収合併を経てきているから、昔を知ってる者ほど戸惑う。

「EPIC」といえば自分が幼い頃いちばんお世話になったレーベルだ。CDを買い始めた頃はひたすら棚にあの赤いマークが並んでいた。EPICのアーティストが大量にフィーチャーされたCBSソニーの「GB」や「PATiPATi」といった雑誌もよく読んでいた。殆ど立ち読みだったけどなっ。

EPICといえばTM NETWORKなのだが、何故か小室哲哉TMN解散後avexを選んでいた。ソロ・アルバムも出したのにねぇ。それ以来、というのは少し違うがもしTKプロデュース作品がEPICからリリースされていたら邦楽市場の歴史は変わっていただろう、という意味で「大魚を逃がした」レコードレーベルというイメージがついた。

ヒカルサイドもデビューにあたってはSONYにもアプローチをとっていたらしい、というソースのない話は昔からWebでも散見される。真偽の程はわからない(なにしろ、当人だってそんな昔の話は記憶があやふやだろう…照實はんね)が、後に出版契約をソニー・ミュージック・パブリッシングと結んだのだからそういう推測が出回るのも仕方のない事かもしれない。

今度の大魚は逃さないぞ、とEPICの中の人が思ったかはわからないが、配信合わせてミリオン出したばかりの、名前だけではない実を伴った現役感バリバリの、しかも34歳とまだまだ(クリエーターとしては)若いミュージシャンと契約しようというのだから、最大限の厚遇を約束したのではないか、とみるのが(とりあえずは)自然だ。

そういえば、中の人もツイートしていたようだが、EPICのレーベルメイトにはいきものがかりが居る。Wikipediaでみたところによると(その為正確性の保証はない)、どうみても稼ぎ頭はいきものがかりで、そんな彼らがこのたび「放牧」に入ったのはレーベルとしては痛手どころか存続の危機である。ヒカルは誇張なしに救世主扱いだろう。

ここをどう読むかは興味深い。どちらが先だったか、である。いきものがかりの放牧が決まったから背水の陣の崖っぷちでヒカルと契約したのか、それともヒカルとの契約がとれそうになったからいきものがかりの放牧を許したのか。いずれにせよレーベルとしてはヒカルを最大限の歓待で迎えなければならない。ヒカルはいざとなればインディーズでも全然構わないだけの下地がある。昔でいうMONGOL800みたいなセールスだって不可能ではない。条件が悪ければ契約しないだけだ。

しかし、ソニー側も切り札がある。先程触れた関連会社のソニー・ミュージック・パブリッシングだ。まぁ会社名が被っているだけでEPICと関係性が深い訳ではなさそうなんだが…という話からまた次回。