無意識日記々

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ぼくのかんがえたさいきょうの…

EPICがヒカルに対して最高の厚遇を提案したであろう事は疑いがない。恐らく、今まで通りの「無期限複数枚」契約を結び―つまり、年1枚アルバム出しなさいよと言われないって事ね―、原盤権をアーティスト側に与え、更に海外の系列会社にもアプローチできる(早い話が各国盤が出せる)ように取り計らわれている事だろう。

しかし、とちょっとステップバックする。なぜユニバーサルとの契約が「満了」になったのか。世界契約とまで言われたのに呆気なさ過ぎやしませんかという疑問が再び擡げてくる。

ヒカルが望めば、いかに世界最強のレコード会社の複合体とはいえ、大型契約を断る理由がない。東芝時代に、日本のみならず世界のEMIの収益にまで影響を与えた人物なんだから。アジアでの売上だけでな。となると、このタイミングで「満了」になるように取り計らったのは他ならぬヒカル本人以外有り得ない。気概溢れる野球選手が将来安泰な複数年契約ではなく毎年勝負の単年契約を結ぶが如く、2010年の当初から「オリジナル・アルバム1枚のみ」の契約だった可能性がある。或いはオプトアウト、即ち一方的な契約破棄が条件のひとつとしてあったのかもわからない。いずれにせよ、7年前の時点でヒカルはユニバーサルを抜ける可能性について頭に思い描いていたという事になる。「まんまと出し抜かれた」と私が最初に言ったのは、そういう理由もあったのだ。

照實さんも円満な「お引っ越し」(今回の口裏合わせその1、即ち"合い言葉"だね)である事を強調している。普通レコード会社の移籍というのは前の会社に不満タラタラで、自分が損をしてもいいから一刻も早く抜け出したい、みたいなノリで起こる事が多いが、ヒカルの場合は八方丸く収まる風合いだ。これはつまり、最初から(ある程度)計画的だったのかもしれない。7年前からな。

今の(まだ2月28日まではな)ユニバーサルに取り立てて不満がある訳ではなく、どうやら「SONYとならできること」があったからこその、徹頭徹尾ポジティブな移籍=お引っ越し、という事になる。ならばその「SONYならでは」の事とは一体何なのか。

ここでいちばんありそうな答は我々にとっていちばんわかりにくい答になってしまう。ズバリ、「一緒に仕事したい人が居るから」だ。正直、SONYの中の人の事なんて全然わからんよ。

しかしこれが、ヒカルにとっては大事だろう。我々はついついブランドや組織名を通して物事を見てしまいがちだが、自身が屈指のブランドであるヒカルにそんなものは必要ない。実質的な、その人が仕事できて相性がいいかといった要素でヒカルは動くだろう。それがヒカルの価値観だ。
それはそれとして。我々にもっとわかりやすい移籍の理由はないだろうか、という話からまた次回…になってしまったな。この話題はついつい余計な事を語りたくなり過ぎる。