無意識日記々

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『色づき始め』

あー、スナックに書き置きしたの、こっちにも書き移しておくか。すぐ流れちゃうし。

『大空で抱きしめて』の冒頭部分。

『晴れた日曜日の
 改札口は
 誰かを待つ人達で
 色づき始め』

この『色づき始め』という表現が特徴的なので解説しておく。

平日の駅の改札口というのは、特に朝はモノトーンなのだ。出勤する社会人や通学する中高性ばかりなので、皆落ち着いた色の制服を着ている為である。表情も、暗いとは言わないまでも落ち着いている人が大半である。

これが、休日になると一変する。皆私服で遊びにいくもんだから各自思い思いの服装で集っていくものだからカラフルこの上ない。表情も、これから楽しいことが起こるぞ〜行きたい所に行くぞ〜と元気一杯で総じて明るい。雰囲気が一気に華やぐのだ。

その対比をもってしての『色づき始め』である。見た目に実際に色が増えるのに加えて人々の表情も華やぐ。そこまではわかるのだが、そういった様子を「色づく」の一言に集約したセンスが素晴らしい。これで一気に雰囲気を表現し伝えるのだから大したものだ。宇多田ヒカルという人は、作詞家としてだけでなく詩人としても有能な人である事が判る。