無意識日記々

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Fleeing From Freedom

Appleクラウドサービスが発表になったらしい。私はまだ静観。これは国単位の話になるが、第一の問題は無線ブロードバンドの為にどれだけの帯域が確保されるか、だ。ここまでくればどうやって残り0.5秒を縮めるかがサービスの分かれ目になると思う。手元のフラッシュメモリにアクセスするのと遜色ないアクセススピードが実現されれば、一気にクラウドは話の中心になり、"ユビキタス"という懐かしいワードが再び浮上するのではないか。

ブラウザを比較してみると、なるほどどうやら確かにソフトウェアの設計次第で随分とアクセススピードの印象は変わるようだ。なんだかどんどん人間の要望が怠惰になっていく感じだが、そこで問題になるのは最早何が出来るか、(予め)何がしたいかではなく、そういうシステムに囲まれたときに人間が何を欲求・要望として残すか、だ。

人間、いつでも手に入ると思うとわざわざ手に入れたいと思わなくなることがままある。私の場合(といっても多くの方が実践されているとは思うが)、例えばTV番組を"見ない為に"録画したりする。いつでも見れると思って見ないものは、つまり別に見なくてもいいのだから。どうしても見たければそれがいつでも見られようが、いつでも見る。

クラウドが実現していけば"いつでもどこでもアクセスしたい時に好きなだけ"が益々加速する。つまり、貴方は自由をまた手に入れる。自分が本当に触れていたいものは何か、よくみえる地点に到達できる。一方で、アクセスの簡単さに導かれていく機会もまた増える。だらけきった正義だな。これはこれでまた、悪くない。

光は、案外"自由"について歌わない。いや勿論そういうテーマもあるんだがどちらかといえばどうしようもなさややるせなさ、せつなさといった"不自由"について歌う感じが強い。

メタラーな私は、伝統的に"自由"について歌う歌を沢山浴びて育ってきた。ヴァイキングメタルなんてジャンルもあるが、ONE PIECEのいちばん大きなテーマもまた"自由"だ。戸惑いこそ人生だよ黄猿くん。そして、自由をテーマにする以上それを獲得する為に必ず闘うことになる。自由への歴史は闘争の歴史でもある。

女性である光がそういった自由と逃走、じゃないやそれじゃFreeとFleeだ、自由と闘争の歴史から距離をおくのは納得のいくところだが、一方で少しリベラルな空気も時々漂わせる。リバティもまた"自由"だが、そこにはあんまり闘争の気配はない。一方で"どうしようもなさ"みたいな切実な雰囲気もない。

ん。難しいな。このテーマを書き切るにはまだまだ余白が必要だわ。今回はここまで。クラウドユビキタスが進化したら、頭に思い浮かんだ文章一枚が、すたとんと一瞬にして脳から取り出せるなんてことにならんかのー。読む方もそれを一枚まるごと一瞬で飲み込めるかどうかの方が、今度は問題になってくるだろうな…。