無意識日記々

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「序破急」の原則

EVAQの作風は確信的なものであって、序破からの流れを逸脱するものではないだろう事は前回指摘した通り。シンプルに「序破急」の原則に則ったと言える。更に副題は"Quickening(胎動、蘇生、又は"急かす事")"なのだから、看板に偽りなしである。問題は、それでよかったのかという事だ。これは大きな賭けである。

EVAQの動員ロケットスタートは、即ちEVA破の評価そのものであった筈だ。この3年で、序破間の2年にも増してEVAの影響力は肥大化した。ロケットスタートがあまりにも"急"だった為、当初は年間興業収入1位も可能かという飛ばし記事まで出ていたが、勿論そんな事はなく二週目三週目と動員は急降下し、序々に、いや徐々に落ち着いてくるだろう。

懸念はつまり、次作:||の初動に影響しはしないかという点だ。幾ら次に傑作を成しても、観て貰えなければ仕方がない。次回予告すら目眩ましの為に用いる制作陣であるから、何か対策を考えているのかもしれないが、Qに対する賛否両論が定着してしまった後ではどうしようもないかもしれない。もっといえば、果たしてQを観た人間が"続きが気になる"と思ってくれているかどうか。余りに難解すぎてその気も失せるという事になっていやしないか。次の週に次回がある訳ではなく、少なくとも1年は後になるだろう。ひょっとしたら、元々一挙上映予定だったのだから、もっと早い段階で:||が登場する? それとも物語に合わせて3年後の2015年まで引っ張る? そういった戦略性なしでQを語る事は難しい。少なくとも、単体で評価するような体裁の作品ではない。

この作風に、桜流しがどれだけ"お付き合い"しているとみるべきか。前段から述べているように、聴き手に優しい/易しい曲ではない。かなり突き放しにかかっている曲だ。だからといってBe My Lastほどの荒々しさも感じない。ここらへんの言葉遣いは難しい。もう少し整理してから語る事にしよう。