いやまぁ四十九日も過ぎてるんだしそんな無茶なスケジュールでもなかったので約束していた1時間枠の番組制作をこなしたというだけで何ら特別な事でもないんだがやっぱり心境的には特別感が強いので、なんというか、いやま無事に何もなく放送されてよかったなとホッと胸を撫で下ろす次第。こう書いた時に実際に胸を撫で下ろした試しは全く無いんだが。
さて内容だが。正確には何つってたっけ、忘れちゃったけど結果的には「メジャーなアーティストのマイナーな名曲」特集になってたかな。しかし、それは表向きのテーマで、要は今のHikaruの気分にそぐう曲調の曲ばかりが選曲されていた印象。その為、ジャンルはいつも通り多様ながらいつもと比較して随分と統一感のある番組となった。極端に言えば、DJは冒頭だけ登場してあと1時間シームレスで曲だけ流しても違和感がなさそうだ。トーク部分というのは意外に重要で、例えばいつもの番組をHikaruの喋りなしに聴いたら結構唐突な展開が連続するだろう。しかし今回は違う。こういう流れだというのが音だけでしっかり出来ている。311の際ラジオ局がシリアスな曲だけをひたすら流し続けていた事があったが、その時の空気を彷彿とさせる。
Hikaru自身は「何曲か死を扱った歌があるけれど意図した訳じゃない。たまたまそうなっただけ。」と言うが、Hikaruの場合"意図"にどれだけ意味があるのかよくわからない。(そういう先入観があるから聞き間違えて逆の意味にとってしまったんだが≦俺) 果たして結局、これだけ番組が"追悼"の色合いに染まってしまったのだから、今のHikaruの気分はまだまだ"追悼"なのだろう。まだまだっつったって割合が減るだけで追悼の気持ちはずっと続いていくんだけどね。
意図していない、というポイントが効いてくるのは、そういう無意識のプロセスを経る事で今のHikaruの気持ちを炙り出せる事、それは即ち、表現が"素直"である事を保証する。もし先に追悼を意図していればそのコンセプトに引っ張られる。縛られる。それを避ける為には敢えてその縛りを設けない事が肝要になるのだ。その結果が今回の選曲であるのならば、Hikaruの癒やしのプロセスは、まだまだ始まったばかりといえるだろう。ゆっくりぼちぼち、いきますか。