無意識日記々

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今日はさおりん_の誕生、かな?

今、例えば今年中に新曲なり新譜をリリースするとして、ヒカルにとって"いちばん売れる"方法はどのようなものか。或いは"認知度を高められる"、でもよい。

YoutubeでフルサイズのPVを公開する、という手段は既にとった。Goodbye Happinessに桜流しに。その再生数は凄まじかった。特に桜流しはそこから合計35万ユニット以上を売り上げたというのだからこれはなかなか無い大ヒットといえた。

しかし、"無料"というのはそれだけでは人を動かせない。やはりそれによって"儲かる"からこそ人が集まり人は宣伝をしてくれる。地上波TVは無料だが、それはもう巨大な金額が動くからこそ多くの人たちが"巻き込まれてくれる"のである。認知度を高めるには商業的成功は欠かせない。

で、だ。じゃあ今何を売れば売れるのか。邦楽のミュージシャンは"誰もわからない"だろう。アイドルはCDを売ってはいるが、音楽を曲を第一にしている訳ではない。しかし、その売上の金額が余りに巨大な為、"ついでに"認知度が高まった楽曲たちは、普通に売っている楽曲たちに較べて遥かに有名になり認知度も高くそのうちの幾つかはスタンダード・ナンバーにすらなっている。確かに効率がいいとはいえないが、絶対値で見ても彼らは今の時代にきっちり"流行歌"や"ヒット曲"を世に出しているのだ。

ヒカルは握手券や投票券はつけそうにない。しかし、ライブコンサートの優先予約権くらいならつけてくるかもしれない。実際SCv2とWILD LIFEは連動していた。次のリリースでもそういった事をしてくるか。ここらへんかなり不透明だ。

これも結局、"Hikaruはどうしたいんだろう"という所に行き着く。余りに特典商法が華々し過ぎると不興や不評を招き、宇多田ブランドの価値が低下するだろう。かといって今の時代、何もつけずにCDが売れるとも思えない。レコード会社としては、配信より収益の大きいCDをより売りたい筈である。


Kuma Power Hourを聴いていても、Hikaruが新譜を何でどうやって購入しているのかは、あまり見えてこなかった。あのラインナップなら多分、日本でいうところの輸入盤CDを購入しているケースが殆どなどではないかと思える。というのも、彼女にとって最も大きいのは音質だろうからだ。ハイレゾ等を除き、基本的には配信よりCDの方が音がいい。勿論、今すぐ聴きたい!となったら配信で買うだろうが気に入ったものはCDで買い直したりしそうだ。

そういう彼女にとって、日本盤のCDを購入する機会はそうそうない筈だ。ここが困ったところで、彼女はいつも"自分が買いそうにない日本国内盤の3000円のCD"を売っているのである。自分なら買わないだろうものを売るというのは、端的にいえば「じゃあ売れなくても仕方ないよね」と思ってしまう。

もしHikaruがインターナショナル・アルバムを作ったとすれば、This Is The Oneのように輸入盤で1000〜1500円も出せば日本国内でも購入出来るだろう。もし宇多田ヒカルがこの値段でフルアルバムなりシングルコレクションなりを国内で売る事が出来たなら、事態は大きく変わるかもしれない。変わらないかもしれない。しかし、レコード会社はそんなギャンブルに出られないだろう。「値段を安くする」という行為は、それによって人々の購入習慣が変化するまで効果が出ないし、そこに至るまでには時間がかかる。やってみたら呆気なく成功するかもしれないが、事前に、誰も試してみた事のない状態で一歩踏み出すのは非常に難しいだろう。

出来れば、書籍のように、同じ再販制度下であっても内容の量などによってフレキシブルに価格にバリエーションを持たせたいところなのだが、それすらも出来ないのかな。Hikaruなら、そこに乗っかってきそうな気がする。「邦楽のアルバム3000円て高いよ。こんなの買う気にならないよ。」とHikaruが進言したりすれば、面白い事になるかもしれない。ならないかもしれない。兎に角、根本から考え直すべき時期に来てるのは間違いないんじゃ、ないかな〜。