無意識日記々

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緋色の研究

そういや昨夜は月9ドラマの「HERO」が復活という事で、何やら20%台後半の高い視聴率を記録したとの事。13年前は全回30%超という化け物みたいな番組だったが、その神通力は未だ健在、なのかな。テレビ見る人が減ってるんだなぁとも一方で思うけれども。

で。ここでその話を取り上げるからには"Can You Keep A Secret?"か、或いは「宇多田の新曲」というところに行くべきなんだろうけれど、私はそちらの可能性は七年前にあっさり切り捨てている。2007年3月のエントリーだったか、HEROの続編についてヒカルにオファーが来た場合どうするのかという話で、「i_なら断る」と断言した筈だ。その時大型タイアップの候補として「HERO」「20世紀少年」「EVA」の3つを挙げて論じていた。ん、これは2007年6月かな?

20世紀少年というのは唐突に響くかもしれないが、当時「Invitation」誌に掲載された「宇多田ヒカル×浦沢直樹対談」が非常に素晴らしく、ここまでヒカルから言葉を引き出せるんならあんたらコラボレーションした方がいいよと感じたファンは多かったのではないか…という空気からの候補であった。当然ながらそんな話はどこからも出てこなかったのだけれども。

その時に私は「HEROはない」と言い切っている為、今回も関心を寄せていない。昔はドラマ自体も大変面白く楽しませてもらいましたが。

ここで考えるに値するのは。普通に考えるならば、ドラマ側は主題歌にヒカルを当てたいだろう、ならば、やはりどの時点でかオファーを出したのは確実だ、なのにヒカルの歌がない、或いは、そもそも主題歌がない、ないしあるかどうかもわからない、という状態になっているのは、ヒカルにオファーを出したはいいものの、丁寧に断られていて、かといってじゃあ他の歌手の誰に頼んだらいいのかとなると、多分格好つくのはSMAPくらい、ならば主題歌は無し或いは保留でいいんじゃないか、という話になっていったのでは―そう推測する事が/事も/事はできる。

では何故断ったか。ここからは私の推測である(前の段落もそうだけど)。ヒカルの作風がドラマに合ってなかったからじゃないの。キャンシーは確かに、ヒカル唯一の年間No.1ソングで、間違いなく代表曲のひとつで、何よりいい曲なのは間違いない、んだけど、「HERO」という、どちらかというと日向な作風とは相性がよくなかったように思う。それにあの華やかでネアカな劇伴が拍車を掛けた。終わったらキャンシーがかかるのが習慣になってしまっていたので、あの曲の歌い出しが流れてこないとしっくり来ない、なんだかドラマが終わった気がしない、という気分は十分にわかるのだけれども、それをいったん脇に置いて考え直してみた時に、果たしてあれでよかったのかと疑問が残る訳だ。

いや寧ろ、でも、それならそれで今度はヒカルの腕の見せどころ、ドラマにフィットする曲を書いて歌ってしまえばいいんじゃないかとも思うが、そこらへんはちょっと私もよくわからない。「どちらに転んでもあの劇伴と波長の合う曲は作れない」とヒカルが思った可能性もあるが…うーん、妄想すら、ここらへんで止まるな。

いずれにしても私自身は特にコラボレーションorタイアップに期待はしていないので、どうぞどうぞという感じである。ドラマ自体は、昔のクォリティーを維持しているのならそれはとっても嬉しいなという事で。HEROとヒカルの交差点は、13年前のあの冬だけでも十分だったと思います。何故かっていうと、そうだな、なんだろうな、再び言っとくか。勘。