無意識日記々

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かつてない積極性

今のところヒカルからの『ただいま』は、まだ無い。強いて言えば『仕事の話じゃい!』がそれにあたるが、やはり「#おかえりHIKKI タグ」に対する返信が無いとなんか変な感じ。

そのヒカルが「さくら並木プロジェクト」にどれ位関わっているかという話だったな。普段であれば梶さんが「こんなタイアップの話がありますよ」と持ち込んでくるとか照實さんが「こんなオファーがあったよ」と幾つかヒカルに話を通すとか、そんな手順を想像するが、今回ばかりは「最初からヒカル主導」という可能性を消す事が出来ない。

まず、5年あった。ロンドンでの目撃情報は幾つかあったのに被災地でヒカルを見かけたという話はついぞ聞かれなかった。しかし、ヒカルが東北や北関東の復興に何らかのアクションを起こしているのではないかという推理はバカげたものではない。最初の寄付の金額もそうだし、クリスマスのツイートもそうだし。

即ち、ヒカルがさくら並木プロジェクトの話を聞きつけて、それに基づいて曲を書いたという可能性すらあるのだ。ここらへんはそのうちインタビューで“答え合わせ”が出来るだろう。

ただし、蓋然性が高いのはやはり「NHKからのオファー」〜「作詞作曲」〜「さくら並木プロジェクト」という順番だろう。『花束を君に』というタイトルが先に来ていて、では花にまつわる慈善活動や復興活動は無いだろうかと探したら同プランに行き着いた、と。『花束』だもんね。桜の花が先に来ていたらこの言葉は持ち出さない。

でも一方で、「うまくハマり過ぎている」という感触もある。嗚呼答え合わせが待ち遠しい。


今回の復帰で、“潮目が変わる”事があるとすればそれはヒカルの「積極性」だろう。昔は「休みたいと思っても次の仕事が来て、それを引き受けてしまって休みは先延ばしに」なんて事を言っていたが、そこに2010年のきっぱりとした人間活動宣言。そういう呼称をまだ用いるかどうかはさておき、ヒカルがオファー待ちでない状態に自らを自らの意志で置いたのである。これは大きな変化だった。

今回も、時期的な事を考慮すれば、アルバムを作り始めた矢先にちょうどNHKからのオファーがあった、という風に事が進んだように見えている。「NHKからお話があったし、そろそろ復帰しようか」というようなやや受け身な姿勢ではないところに、今のヒカルは在るのではないか。

となると、さくら並木プロジェクトもヒカルは「是非に」と乗り気、或いは自ら主導して話を進めているかもしれないのだ。そこまで行くと一体一人幾役やってるんだってなるが、あんまり常識的に考えているとヒカルの事は捉え切れないからね。

結局は、この5年どう過ごしてきたか、震災後とどう向き合ってきたかについてヒカルから話を聞かないとどうしようもない。「喋らない」という対応もありである。この5年の事はプライベートでしか話さず、我々からみたら「墓場まで持っていかれる」事柄なのかもしれない。そういうのがあってもいいとは思うが、こと震災後の話に関しては、音楽を通して人々の関心を集める為にも、積極的に話していってくれた方がいいと思うが如何だろうかな。