無意識日記々

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『This Is The One』9周年

『This Is The One』の発売から9年か。来年で10年だからといって記念盤等が発売される訳でもないのは『EXODUS』10周年がスルーされた事からも予想される。あん時ゃ『First Love』15周年だったから…と言えば体のいい言い訳になるが、発売日が半年空いてるんだからやろうと思えばやれただろう。そうならなかったのは単純にレコード会社サイドに思い入れがないからだ。人の作ったものである。人の気持ち次第だ。

にしても『First Love』から『EXODUS』まで5年半しかないのか…あらためて当時のスピード感に恐れ入る。それでも『EXODUS』については「随分待たされた」という印象が強く、『This Is The One』に関しては「矢継ぎ早」という印象が強かった。主に「日本語と英語のアルバム同時に作ってるようなもんだけど」というヒカルの一言が大きかったのだが。

『Fantome』や『Ray Of Hope』がiTunes Store USAチャートに入った時に幾つもWebに記事がアップされたが、私の知る限り『This Is The One』についてまともに触れたものはひとつもなかった。iTunes USA総合チャート16位付近、Popチャート2位、フィジカルのみでビルボード69位というラウドネス以来の好成績といった、Hikaruの全米での過去の実績を話すに及んでどう足掻いても外せない作品を皆がスルーしたのは、単純に忘れていた、或いは知らなかったからだろう。

何故忘れたり知らなかったりしたかというと、同時の日本のレコード会社が『This Is The One』のプロモーションに力を入れていなかったからだ。『EXODUS』の時ですら「NINTENDO DS」のCM等での注目を集めたのに、『This Is The One』では目立ったタイアップはなかった。これを日本の担当者の熱意の有無のせいにするのは容易い。それは兎も角、日本では有名でない作品になったのは事実である。

アメリカでは異なるだろう。『Come Back To Me』のスマッシュ・ヒットにキングダムハーツの『Sanctuary』のリリースまで重なり、結局これがアメリカでのファンベースを形作って『In The Flesh 2010』の成功に繋がる。その流れの上での『Fantome』と『Ray Of Hope』のチャートインだというのは普通に追っていれば自明に近い流れだったのだがその認識が共有されているとは言い難い。

でもまぁ、キングダムハーツさんのテーマソングをフィーチャーした次作がアメリカや他の国で成功するのは予想される事なので今更だ。しかし、その時にまた書かれる記事は再び総て的外れであろう事も予想される。生暖かい目で見てあげてくれれば幸いだ。