無意識日記々

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2017年11月09日のツイート

Amazon Unlimited

Amazonから通知が来てて、Unlimited、4000万曲が聴き放題のサービスを月額980円(プレミア780円)で始めるそうな。ふーん。

一昔前に較べれば「4000万曲聴き放題」は夢のような状況だが、今のニーズは果たしてそこにあるのだろうか。聴き放題は最早前提に過ぎず、そこからどう踏み出すかがサービスに問われる時期だろう。

最早前提に過ぎない、というのは言い過ぎかもしれないが、計算機と情報網(コンピューターとインターネットね)が発達した現代では、聴き放題は技術的になんら難しい話ではない。レコードの時代ならとんでもない敷地面積に大量にアナログレコードを索引順に並べて…音を取り揃えてもその土地の近くに居る人たちしか利用できないし、そんなものを作る動機も手間もなかった。

今なら、ちょっと大きめのハードディスクなり何なりの記憶装置にデータを全部入れてそのデータをクラウドに公開するだけでいい。依然、ハードディスクの物理的サイズとサーバーコンピューターの強度というフィジカルな課題は残るが、各配信サイトは実際にこれをやっている訳で。有料だから皆手を出せないだけだ。

アナログレコード時代なら、アナログレコードというフィジカルを製造する為のお金が発生していたが、今は、前から書いている通り、「アクセスする権利」を販売しているだけである。物理的に、あらゆる楽曲を聴き放題にするだけの技術と設備を既に人類は持っている。寧ろ、そこに敢えて制限障壁を設けている、とすら言える。聴き放題自体はもういつでも可能なのだ。

「音楽をタダで配れ」と無茶を言うつもりはない。そこの話ではなくて、問題が物理的・設備的な問題ではもうない点を確認したかっただけである。ゲートを解放すれば、もういつでも「聴き放題の夢の国」は現れますよ、と。

そう、料金の話はいい。問題は、聴き放題がそんなに楽しいのかという点だ。確かに昔は「夢の」という枕詞が相応しい概念だったが、いざ何でも聴ける状態になってみると、果たして何をどうしたらいいのかと戸惑うばかりだ。前から聴いてみたいと思っていた音源を聴いてみよう…というのは、例えば私の場合殆ど無い。大人なので聴いてみたいと思った時点で既にポチっている。ダウンロードも通販も、何だったら駅前にTSUTAYAでレンタルしてもいい、聴きたきゃもう聴いている。ただ、現実には、そこまで時間なんてないのだ。頭の中には「機会があれば聴いてみたいもの」リストがわんさか順番待ちしているが、気がついたら、そうなのだ、「いや別に聴かなくてもいいのではないか?」というものが大半になっている。

これが聴き放題になっても多分状況は変わらない。通販やレンタルだったものがダウンロードに切り替わるだけだし、歌詞対訳解説ジャケットなどが欲しいケースは相変わらずCDを買うだろう。

ではどういう問題意識を持つべきなのか?という話からまた次回。

『まえがき頑張って書いた』

おぉっと、@utadahikaruが呟いたのか。気づいていなかった。うたひかマガジンは本当に素晴らしいな。

とと、どうやら今回の『宇多田ヒカルの言葉』に関しては、『点』&『線』のようにガッツリ編集長として関わった訳ではないようだ。『まえがき頑張って書いた』と言っているからには、つまり、まえがき以外は携わっていない、という事か。

『今頃RTしてもさ』とか『発売日位把握せぇ』とかはもう皆言ってくれてると思うからいいとして、正直ホッと安堵した。『点』『線』&『This Is The One』の同月発売は結果としてその2ヶ月後に恒例の『5月キャンセル(その2)』を齎したからだ。今回もアルバム制作に加えて『言葉』の編纂に携わっていたらハード過ぎるだろダヌパの世話もしなきゃいけないんだぞ、と。どうやら違ったらしい。そりゃホッとしますよ。

とはいえ、アルバム制作もまたそれ自体が鬼門なのも間違いない。手の抜き方を知らないというか制限無く頑張り過ぎるのは明らかに藤圭子の娘だからだ。母の影響。ここは自ら冠したこの10年間のキャッチ・フレーズ『30代はほどほど。』を胸に刻み込んで何度も反芻して自らの健康と安全を第一に考えてスケジュールを立てて貰いたい。


大体、ライブもそうなのだ。「八割の力を出すだけでお客さんを十分に満足させる」のが一流のプロってもんだろう。超一流だから別の何かなんだよ、と言われたら押し黙るしかないが、本当に凄いのは絶好調の夜をひとつ作れる事より1日も不調の日がない事だ。天候や季節、移動距離や開演時刻を考慮して体調をその都度万全にしてステージを迎えられるかどうか。勿論私は不調の中で必死に新しい成長を手繰り寄せていく様をリアルタイムで見れて非常に感動した人間なので、今書いている内容が非常に中身のない薄っぺらい嘘っぽい感じに響いているのは承知している。早い話が本気でそう思ってはいないのだが、ライブコンサートともなると一度は建て前を書いておくのも重要なのだ。全公演を高い水準のアベレージで終えてこそ真のプロフェッショナル・パフォーマーだ。長くやってりゃ調子の悪い日もあるよ、と周りの人はきっと言ってくれるだろう。しかし、大抵の聴衆はその日一度きりなのだ。ムラのない内容を届けたいなら『WILD LIFE』のように一ヶ所で2日間だけやっ
て映画館とストリーミングで共有して貰おう。長期ツアーなんかやるから不調な日が出てくるのだ。


そういや映画館でのライブ中継、5.1chミックスじゃなかった気が今更してきた。今度はハイレゾ&多チャンネルで中継をお願いしますよ。

でそういうのを建て前で言った上で、本音はさっき書いた通り健康第一&安全第一だ。身体に悪影響を及ぼす無理や頑張りは決してしないと誓ってくれたら言う事無しですわ。