無意識日記々

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アルバム発表後のコンサート。

コンサートのセットリストというのは永遠に悩みの種だ。大体2時間のLIVEをやるのに必要な曲は20曲前後。デビューしたてでまだアルバムを1枚しか出していないアーティストにとっては全く曲が足りず、カバーを歌ったりしてバリエーションを増やすしかない。一方10年、20年やってるベテランはリクエストされる楽曲を全部歌いたくてもとても2時間では尺が足りず、泣く泣く削っていくしかない。観に来る人総てを満足させるのは無理とはわかってはいるものの、お目当ての曲が聴けなくてがっかりして帰ったという話を耳にすると切なくなる。2時間のコンサートにとって、曲は少なすぎても多すぎても駄目である。曲順はともかく、どの曲を歌うかで悩まなくて済むのはアルバム2枚出した直後のツアーくらいなのである。

なのに、よりによってアルバム2枚出した後に1本もコンサートを打たなかったアーティストが居る。宇多田ヒカルである。1枚目を99年春に出した後単発のLIVEを幾つか挟んで翌00年夏にボヘミアンサマーツアーを敢行した。が、ご存知のようにこの時はまだアルバム1枚分しか曲がなかった為カバーやリミックスを惜しげもなく注ぎ込んでセットリストを構成した。特にカバーは伝説化するほど好評を博したが、まだまだ"宇多田ヒカルの世界"と胸を張って言える選曲ではなかった気がする。いや私DVDでしか観た事ないんだけどね。

そして渾身の力作Disanceを01年春に発表。3週間引きこもる程精魂込めたアルバムだったが、何故かこのあとツアー開始の報告はなく次第にシングルを発表してゆく。気がついたら年間Top10に4曲(3枚)をねじ込む程のシングルを発表し前作から僅か1年余りで02年6月に3rdアルバムDEEP RIVERを発表する。シングルCOLORSをその約半年後に発表した後UtaDAの制作に突入と共に沈黙、そこから約1年後の04年2月にヒカルの5を開催するのだった。UtaDAの活動を経てまたもシングルを連発した後06年6月に4thULTRA BLUEを発表、同時にUTADA UNITED 2006が発表されて…という流れ。更にそこから08年3月にHEART STATIONが発表されUtaDAの活動に向けて再び沈黙、09年3月のアルバム発売から1年弱でIn The Flesh、同年末にWild Lifeである。

こうしてみると、アルバム発表後にライブツアーを行ったのはFIRST LOVE、DEEP RIVERULTRA BLUE、This Is The One、Single Collection Vol.2の5枚、行わなかったのはDistance、Single Collection Vol.1、EXODUS、HEART STATIONの4枚である。が、シンコレ1はコンピレーションでこのあとにツアーという感じではなかったからあまり勘定に入れる必要はないだろう。また、Wild Lifeはシンコレ2の直後とはいえ同作からは4曲しか取り上げていないので寧ろ"Hステ後初"という感じの方がファンにとっては大きかった。Beautiful WorldにFoLにステゴにPoLにぼくはくまに虹色バスまで披露してくれたのだから。


こうしてみるとやはりDistanceとEXODUSの楽曲は、LIVEで主役っぽく扱われた事がないという意味で不遇な感じがする。しかし、記憶力のいい読者の方々はもう突っ込みたくてうずうずしてるだろう、この2作のアルバムのそれぞれ後には、光にとって非常に重要なLIVEがあったのだ。UnpluggedとNY Showcase Gigである。


…続きはまた次回…じゃないかもしれない。(笑)