無意識日記々

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しぃごとーにもせいがでるっ?

しまったな、今回の更新を金曜の午後にしないとか何を血迷ってたのだろう私。

まぁその前に。「ta-ta-lu♪」のパートに関して、肝心要の部分について触れるのを忘れていた。間に挟まる「Wu-wow♪」の部分である。

ここが、いちばんヒカルと槇原敬之の差が出ている所だ。(そういえば大橋トリオのバージョンと比較しないの?と突っ込まれたが、ただでさえ既にややこしい二者の比較論に三つ目が加わったらどれだけカオスになるかは容易に想像がつく。気が向いたらそちらのバージョンとの比較もするかもしれないが、同時に三者を、というのはちょっと無理。)

槇原敬之の「Wu-wow♪」は、もう殆どカタカナの「ウーウォウ」だ。非常にハッキリと、そう言っている。そして、彼はこれでよいのである。この、「ta-ta-lu♪ Wu-wow♪」がオープニングで槇原敬之節で歌われる事によって彼独自のtravelingの色合いを聴き手に提示しているのである。こっちだよ、という訳だ。なかなかによい道しるべである。

勿論ヒカルはヒカルで彼女らしさをここで既に全開にしている。槇原敬之と違い、最初の「Wu-」を絞り出すように歌い、それまでの「ta-ta-lu♪」のルーズさとは一線を画したアクセントを放っている。そして、最も注目すべきは次の「wow♪」のところだ。「ta-ta-lu♪」についても、ヒカルの場合節の最後で例の"エア"を入れてくる、と言ったのは覚えてくれているだろうか。便宜的にそのエアを「h」、ブレス(息継ぎ)を「Φ」で表記して「ta-ta-lu-hΦ」という風にした。これに倣えば、「Wu-wow♪」のところも、よくよく聞けば「Wu-wow-hΦ」と歌っている事に気が付くだろう。

更に特筆すべきは、ここの「h」は「ta-ta-lu-hΦ」の「h」に較べてやや音量が大きい。つまり、ヒカルは場面によってエアの入れ方抜き方に強弱をつけるのだ。それに伴ってブレスも深くなる。ここでは、そこまで大きな差はないが、必要とあらばエアもブレスも、大きさの違いを明示したい場合は大文字の「H」「φ」を使って書き分けるかもしれない。つまり、「ta-ta-lu-hΦ」と「Wu-wow-Hφ」という風に。そういうケースも、この曲にはまだまだある筈なので。

兎も角、ここでヒカルと槇原敬之の違いが大きく出る。かなり生真面目に「たたる♪うーうぉう♪」と歌う槇原敬之の作るグルーヴはストレートで平坦だ。一方ヒカルの作り出すグルーヴはルーズさからのパワフルさ、といううねりと、エア&ブレスのバリエーションによってしなやかに彩られている。宇多田ヒカルの日本人離れしたグルーヴとエモーションは、たったこれだけのパートを歌うだけでも大きな違いを生み出すのである。



あれ、今夜こそ「仕事にも精が出る♪」に入るつもりだったのに…。(汗)