無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

「(で時間)を」

やっぱりケータイにいい音の出るスピーカーをつけなかったのは痛かったな〜あとは「ケータイ・リモコン」だな。

数年前の着うたブームのとき、本来ならタダで聴くはずの数十秒のサンプルに210円を払って何で聴いていたのかといえばイヤフォンでもないしラジカセやミニコンポのスピーカーでもない、ケータイのあのちっちゃなスピーカーだった。あれで何百万という人が歌を鳴らしていたのだ。どれだけミュージシャンがミックスにこだわっても「いい音」には限界があったのだ。

対策としては、単純に高性能のスピーカーをケータイにつければよかったのだがデザイン的に難しかったのだろう。スマートフォンになっていよいよ難しくなった。更に音楽購入離れは進む。

ケータイ・リモコンという発想は、これも単純で、ケータイで購入した音源をタップ一つで外部の再生機器、ラジカセや(ってさっきから言ってるけどラジオもカセットももうないような…)ミニコンポで再生できるシステムだ。技術的には簡単なのだろうが規格統合が実現の壁になるだろうな〜。いやこれも言っても今更なのですが。

裏を返せば、「着うた」という短い音源だったからケータイの貧弱なスピーカーでも大丈夫だったのだ。数十秒だけ鳴る音を「鑑賞」しようとはなかなかならない。鼻歌代行くらいの感覚で気軽に鳴ってくれてOKだった。これがフルサイズだと音の軽さが響いてきそうだ。

最初っから「ケータイで配信購入して様々な再生機器で鳴らす」という設計図でコトが進めばよかったのだがまぁ実際はこんな感じである。CDの再生機器はすっかり廃れ、かといって音楽配信が主流になっているかというとさにあらず。Youtubeで聴けるから…というのも大きいが、特に若い世代はボカロをはじめとした「最初っから無料の娯楽」を大量に消費している。システムがもたもたしてるうちにコンテンツの主軸まで移動を開始しているのだ。


宇多田ヒカルがあそこまで売れたのは、上の世代にもわかりやすく、同世代にも共感を得られたからだ。如何に10代がトレンド・セッター(いやぁ懐かしい響きだ)だと言われようと購買力は20代以上の方が高い。実際に買うかどうかは別だけど、宇多田ヒカルの場合は買った。買われた。当然同世代からも支持をされた。

そして当時は「下の世代」が居なかった。何しろ本人が15,6歳なのだから下は中学生以下だ。いや勿論個々のファンは存在していたが、"世代"を形成していた訳ではなかった、という意味だ。今はその「下の世代」が居て、そもそも「音楽にお金を払う」習慣がない。今は、CDというプラスチックに握手券や投票券をつけてお金を払わせる方法と、Webでダイレクトに(代金などを介さず)音楽そのもの(で時間)を消費する方法に二極化している。この世代に対してどんなアプローチがあるか、ちょっと考えてみないといけないかもしれない。