無意識日記々

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Boys & Girls、Hopes & Happiness

PINK FLOYDが20年ぶりに新作を出すという。どんな内容なのだろう。新曲で構成されているとしても多分デイヴィッド・ギルモアのソロ・アルバムと大差無い気がする―と最初は思ったがその新作のタイトルが「The Endless River」らしい。成る程、ならば内容は意図的にその20年前の前作"対/The Division Bell"の続きを作ったという事になる。「対」のラストを飾る名曲“High Hopes”の歌詞を読んで貰えればわかるが、アルバムの最後の最後の歌詞が“The endless river/For ever and ever”なのだ。

あの、「The glass was greaner...」から始まるサビの歌詞はいつ聴いてもノスタルジックで胸を締め付けられる。果たしてどんなテーマを扱っているのか。アートワークにストーム・ソーガソンを起用出来ないのは残念だが、日本人としては邦題に期待したい。石坂さんしゃしゃりでてきてくれないかな。無理か。

"river"といえば『Deep River』を思い出すのがこの日記の読者の性だろう。従って、河は必ずや海へと流れ込み、それが最終的な救いへの道だというイメージを持っている筈だ。たとえそれが意味するものが死でも。

ならば"終わり無き河"とは、エンドレス・リヴァーとはどういう示唆を含んでいるのか。それは、永遠に続くとも思われた長い長い幼少期の時間の流れがそのまま続いていくのか、はたまた天の川の事なのか。どこにも行き着く事無くひたすら流れ続ける河。まるで地獄のようでもあり天国のようでもあり。いずれにせよ非現実的なイマジネーションを喚起する事は確かだろう。

「終わりのない幼少期」との決別を自ら進んでする、生まれ変わってももう一度無垢とのお別れを自ら告げると宣言したのがGoodbye Happinessだ。"High Hopes"は、戻れない"あの頃"への郷愁を切なく歌っていて、もしかしたら実は誰もその"あの頃"を経験した事は無いのではないかと思いたくなるくらい幻想的だが、そういうのに身を窶すのは、こう言っては何だが、男の子っぽいなぁと。先にキスをしたがるのは女の子の方かもわからない。だから歌詞に出てくる寂しそうな子は男の子なのかな、と思う。

少し俗っぽい感想だが、こういう抽象的で幻想的な領域に、なかなか女性は入ってきてくれないので、Hikaruのセンスは貴重なのだ。平たく言えば哲学科に入ってくる女子って少ないよね、という。今のHikaruはそういうのに興味があるのかなとふと思ったのです私は。