無意識日記々

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後半に入った #とと姉ちゃん

今週のとと姉ちゃんも、相変わらず雑だねぇ。まぁ慣れたものだが。結局、前に指摘した通り、脚本上の小橋常子のキャラクターと実際の高畑充希の演技が絶望的に食い違っているのが救われないのだな。行動原理は猪突猛進というか、何も考えてなくて鈍くて察しが悪くて、な感じなのに高畑の演技は一言でいえば"小賢しい"。もっと他人を冷静に欺いたり騙したり抜け駆けしたりといったキャラクターの方が似合う。知的過ぎるんだよね。小橋常子みたいな振る舞いをしそうにない。でも、今更ミスキャストだなんて言ってられないし、この齟齬を抱えたままあと3ヶ月続くんだろうなぁ。

役者陣自体は、高畑も含め、相変わらず素晴らしい。しかし、戦中戦後編は、森田屋のように台本を離れてアドリブを展開するような場面が皆無な為、彼らの持ち味を発揮できる見せ場に乏しい。それもこれも戦争のせい、と言ってしまえばそれまでだが、戦中の出来事が戦後の常子の行動原理に影響を及ぼさないのなら戦中編全部ナレーションですっ飛ばしていきなり戦後からでもよかった。戦争があったからといってわざわざそれを描写する必要は…これは朝ドラでしたねすいません。

という訳で、どこでもいいからまたアドリブ力が発揮出来る場面設定をして欲しいものだが暫くは無理だろうかな。編集部をずっとワンカメラで追い掛けててんやわんやなやり取りを…ってそれ三谷幸喜の芸風だな。

7月に入って改編期なので、春秋ほどではないとはいえ視聴者の視聴習慣が切り替わる季節。それに最も影響を受けないと思われる朝ドラであっても、油断は禁物。普通ならここでテコ入れだろうが、うーん、どうなんでしょうね。当初「視聴率は中空飛行で構わない」と書いたが、どうにも未だにそれなりに高視聴率な為、こちらとしては噛み合わない感じは否めない。まぁ、勿論喜ばしい事ですが。数字が出てるのは。

ただ、流石に今後は「暮しの手帖」ファンからのクレームは避けられないだろう。私は同誌については藤城清治の影絵くらいしか印象がないので何の思い入れも知識もないのだが、流石にここまでの3ヶ月間のエピソードが常子の雑誌作りに恐らく殆ど影響が"無い"事くらいは予想がつく。というか、もし影響があるんだったら「暮しの手帖」関係ないよね。

同誌に思い入れがある層がこれからどんな感想をもつのやら。史実に忠実に作る必要はないけれど、同誌のファンの皆さんの機嫌を損ねるんだったらそんな史実を取り入れない方がよかったんじゃないの、となりかねない。他のプロジェクトと違って朝ドラなんだから他ブランドの集客力なんてアテにする必要無いんだし。

ま、全部杞憂に終わればそれがいちばんよし。今日も変わらずオープニングで『花束を君に』が流れている。それだけで大丈夫。