無意識日記々

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くらべてはいけない

「あなたが待ってる」、曲単独で聴いた場合はいい曲で満足なのだが、『宇多田ヒカル共同プロデュース』という看板を背負わせると、うん、ちょっと地味かな。

それは無理矢理である。ひとつの曲を聴いている時に他の曲の事を思い浮かべるなんてろくなことじゃないしろくなことがないし、ろくでもないヤツである。まるで『誰かに手を伸ばし あなたに思い馳せる時』だ。女の子にいちばん嫌がられるヤツ。いや女の子でも嫌がられるぞ。男も女も、頭の中だけで済ませて口に出さないように。墓場まで持っていこうね。何を言ってるんだ俺は。

閑話休題。そして話を戻そう。それでも比較対照を挙げて話をしようとする私は鬼畜。

地味、といっても曲調の話ではない。もっと集中力の高い曲を期待していた、という意味だ。宇多田ヒカルの看板を掲げる以上は。

例えば、2004年のフラワーカンパニーズの「深夜高速」のような。同じタイプ、同じくらいのロックテイストの日本語曲でこれだけの爆発力が出せるのかという佳曲だ。実は私この歌の事を知ったのはつい最近の事でな。湯川潮音がカバーしてるよというので聴いてみたら何だこりゃになった。2009年にはこの「深夜高速」一曲をカバーするだけのアルバムが発売される程名の知れた名曲だそうで。これ知らないと恥ずかしいヤツとちゃうのという気もしたが邦楽ファンじゃないからと逃げを打っておこう。2004年や2009年というと全米チャートの方ばっか見てたしな(『EXODUS』と『This Is The One』の年だからねーそれぞれ)。とか言うてる割にずっとチェックしてるメタルやプログレでも毎年々々「えーっ、去年こんないい曲あったのーっ!?」って言ってるんですけどね私。どれだけ聴いててもいつだって取りこぼしはあるもんさっ。(負け惜しみ)

歌詞の密度とかストリング巣の効果とか、大体同系統の楽曲(爆奔と不羅漢ではバンドとしては随分違うけども)であるだけに、比較してしまうといちいち悔しい。これくらいのクォリティーの曲がTHE BACK HORNから出てきててそれが宇多田ヒカル共同プロデュースというクレジットだったら「どうだ、言ったろう? それみたことか。」と「あなたが待ってる」の発売日すら忘れていた人たちにどや顔で迫るところだったのだが、こういう感じだと、「うん、まぁ、スルーしてもいいかな…時間があったら聴いてみて。いい曲だから。」までくらいしか言えないぜ。そこらへん私は正直。正直過ぎ。馬鹿正直っすなぁ…。

あとは、そう、THE BACK HORNのLIVEでヒカルがゲスト出演するかどうかっていう興味があったけど、制作上は兎も角、演奏上は出番が少ないのでちょっと実現は難しいかな…いや、友情出演ってのは、そういう理屈を超えた所にあるからいいんだけど。もしタイミングが合えば彼らのLIVEにも行ってみるけどね〜。

という訳で、何というか、本来の意味で「微妙な」テンションで今居ます私。やっぱり曲と曲を比較して聴くのはよくないね。いつだって、目の前の曲と向き合ってその世界の中に入り込んで、目一杯楽しむのが人生の作法ですよ。それを間違ってしまうと、取り返しのつかない事になるのです。