無意識日記々

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待ってました"あなたが待ってる"

「あなたが待ってる」、しみじみといい曲で、少なくとも買って損のないクォリティーでほっとしている。私に駄目なものを掴ませてOKなのはチャック・ベリー翁だけで、宇多田ヒカルだろうとメタリカだろうと生き返った吉良さんだろうと駄目なもん作ってきたヤツは徹底的に、容赦なく、3DVR並みに叩く。或いは完全無視だ。取り敢えず今回それはない。朝からずっとリピートしている。

その上で敢えて言わせて貰うと、ヒカルの出番が少なくて不服だ。最初は、冒頭から流れてくるリズムのズレたピアノがヒカルかと思ったが、MVを見ると後半のピアノソロからみたいだな。更にバックコーラスも、最後の方にちらっと出てくるだけ。うーん、これ知らなかったら俺気づかなかったよきっと。

そのMVも、音の出番に合わせて出演は少なめ。なるほど、クレジットが「THE BACK HORN featuring UTADA HIKARU」とかになってなかったのは、こういう感じだからかと。ただ映ってる場面のヒカルはリラックスしていて非常に魅力的。「嗚呼、あの小鼻の輪郭線を一時間撫で回し続けたい」と気持ち悪い事を思ってしまった。私はいつも通りです。

でもいちばんの不満はミックスだ。ヒカルのピアノソロ、かなりいいラインをなぞっていると思うのだが如何せん音が小さい。ソロパートなのにベースラインに音を掻き消されるってどういう事なの。本当に勿体無い。時代はバイノーラルだなんだと楽器の定位にこだわっているというのにバンドサウンドに埋もれるソロタイムってどういう事ですか。

もしかして、共同プロデューサーなのにミックスに立ち会っていないのかな。自分が鍵盤奏者なら遠慮無く不安をぶちまけるが、そこらへんはバンドの雰囲気次第か。クレームは、スポーツチームのように「造反」として処罰の対象になるものからクリエイティブにとってプラスだと歓迎されるものまで様々だが、今回の場合はどうだったのだろうか。

幾らヒカルが自分自身を前面に出すタイプではないとはいえ、楽曲のクォリティーを左右しかねないかもしれない場面で妥協するとは思えない。或いは、これくらいのバランスがベストなのかもしれない。

こういうのは、実際に幾つかのバージョンを聴き較べてみないと判断がつかない。ミキシングの段階でしっかり検討されたのならこれでよいだろう。が、もしヒカルがミックスに立ち会っていないのならそれは問題だ。信頼して任せる、スケジュールが取れなかった、と理由は幾らでもあるだろうがリスナーにとっては出てきた音が総てだ。それで感想を言うしかない。

…なんていう不満があるにはあるが、動くヒカルが見られて、いい歌が聴けて、私は気分がいい。まだ買うのを迷ってる人が居るなら、配信なら250円なんだから躊躇わなくてもいいと思うぞ。Gyao!ではフル尺のミュージック・ビデオも公開されているから、是非観て聴いてみてくださいな。冬にピッタリですぞ。