無意識日記々

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平野美宇が2017アジア選手権奪取

あーもう美宇。先週「アジア選手権が結構熱い。美宇のプレーぶりが気になる」と書いたものの、美宇が女子単を分捕るとは1ミリも思ってませんでしたすいません。

中国選手3人を連破してアジア選手権奪取、というのは各国2人しか出ない五輪単金メダルより難易度が高く価値がある。特に最後は3人から合計9ゲーム連取した事になり、そんなケース過去にあったのかすらわからない。11点制になってからは勿論初めてだ。快挙という言葉の完全上位互換語って何? 新しい日本語を開発せねばならないレベルの偉業。暴挙とか爆挙とかなんかもうそういう…それでも足りない。

とはいえ、冷静になって内容をみると、世界1位の丁寧相手はゲームオールジュースで薄氷の勝利、世界2位の朱雨玲も世界5位の陳夢も、双方3-0のストレート勝ちとはいえ、1本のネットインで流れが変わるギリギリの勝利だ。次に美宇が絶好調時に対戦したとしてもストレート負けして何ら不思議はない、それ位の感覚でいい。このクラスには勝ったり負けたりだろう。そして丁寧と(団体戦で惜敗した)劉詩ウェンは未だ格上とみるべきだ。

とはいえ、来月デュッセルドルフで開催される世界選手権個人戦の優勝候補に名を連ねるのは間違いない。こちらでも中国選手3人に勝てないと優勝できない計算だ。これって中国トップ選手でも極めて難しい。やれたら世界タイトルなんだから当たり前なんだけど。で中国の女子単代表は丁寧、劉詩ウェン、朱雨玲、陳夢、木子の5人。今回対戦の中ったら木子も昨年の超級で互角の内容だったから勝つ確率は50%程度だろう。朱雨玲も50%、陳夢は30%、丁寧と劉詩ウェンは20%といったところか。ただ、今回の結果を受けて木子を下げてカットマンの武揚か胡梅麗をぶちこんでくる可能性もある。いずれにせよ総合すると美宇が優勝できる確率は10%前後になるが、この40年でここまで女子単で可能性のある日本人選手は出てきていない。更に今回の爆発力。期待していいだろう。

こうなってくると2020年の東京五輪の金メダルに期待が集まるところだが、事はそうイージーではない。今回は美宇の陰に隠れているが、同い年の伊藤美誠早田ひなもほぼ美宇と変わらないレベルのプレーを(相変わらず)見せている。五輪シングルス代表枠は各国2名。美宇が東京五輪で金メダルを獲る為にはまずこの2人との代表権争いに勝利しなければならない。それはもう殆ど中国選手に連勝するのと同じ位の難易度だ。他国の選手との争いも大事だが、まず自国選手とのレースに勝たねばならず、それが同等の難易度なのだから恐ろしい。頑張れ美宇美誠ひな。

今のままでは福原石川の東京五輪は厳しいと言わざるを得ない。あとは各選手のモチベーションと体調(故障の有無)だ。が、そこまで熾烈な代表争いを経ての代表が集う東京五輪団体戦は、勿論金メダルの可能性がある。そちらは遠慮なく大いに期待したいところなのですよ。