※ 今回もチェンソーマン原作ネタバレ気味です。
ひとまず今日配信になった米津玄師の「KICK BACK (Frost Children Mix)」とやらを聴いてみた。もし仮にこのトラックを映画で使うとしたら「IRIS OUT」や「JANE DOE」とどんなバランスになるかの興味からだが、なるほど、「リミックスであることを主張するタイプのリミックス」なんだね。
オリジナルの「KICK BACK」は正攻法で直球のロック・ナンバーで、真ん中のスロウ・パートも何の衒いもないストリングスてんこもりだったが、今回のリミックスはあらゆる箇所にエフェクトをかけまくりぃの、そのスロウ・パートもストリングスまるごと削除しぃの、で、随分と変化球だ。
「KICK BACK」が原作漫画以上に少年誌のヒーロー像を真正面から描くスタイルで(努力未来A beautiful starだもんね)、いわば「主役の為のキャラソン」だったのに対して今回のリミックスは脇役感がある。リズムも変則的だしな。つまり、「IRIS OUT」に主役の座を譲るという意思表示なのかもしれない。いや、レゼ篇もテレビシリーズ第1期同様、デンジくんが徹頭徹尾主役なんだけどね、主題歌の方には引き継ぎがあるってことだ。
なるほど、それならエンディング・テーマの「JANE DOE」はますます「レゼ篇から先への布石」の可能性が強まったな。ここも引き継ぎの意識が強いという見立てでさ。
とはいえ、何しろ米津玄師ですからね。当代No. 1のアニソン請負人の思慮を私が全て慮れるとは思わない。2週間後に心地良く驚かされてる気がします。
「主題歌の主役感」というのは結構大事で、音楽的には「リズムが素直でメロディも予測しやすい」ものが求められる。王道ってやつですね。リーダーには、こちらが何も余計なことを考えなくても引っ張っていってくれる、連れてってくれる能力を期待するもので。王道の難しさは、それでもなお印象に残るものをつくらなくちゃいけないことでさ。脇役は「曲者」に徹すればいい。何か目を引く変な事をして「なんだこりゃ」と思わせたら印象に残る。しかし、脇役だけでは物語は進まない。真ん中の時間を牽引する主役には「真っ直ぐさ」が何より求められる。そこをずんずん突き進む力強さが。(例えばワンピースのルフィなんてまさにそれそのものだね)
レゼ篇ではその主人公の力強い突進力の「動機」が揺れる様を描くので、この「KICK BACK (Frost Children Mix)」の使い勝手はよさそうだ。嗚呼、繰り返すがまだ劇中歌として採用されるって公式発表があったわけじゃないから。勝手にこっちで言ってるだけだからね。
この流れだと、でも、楽曲としては「IRIS OUT」が絶賛され、事前の話題性の割に「JANE DOE」はやや印象が薄いなんてことにもなりかねない。なので悔しい私は「JANE DOE」の「宇多田ヒカル、米津玄師」バージョンも作ってリリースしちゃえばどうかと愚考しますわ。今度はヒカルの姿をジャケットにしてね。まぁでもやり過ぎちゃうと今後も「チェンソーマン」のプロジェクトにずっと付き合うことになるかもだな。ま、それならそれでいいか。