『どんぶらこっこ』ひとつ取ってもこれだけ語る事のあるKeep Tryin'の音韻構造、書いてるこっちも(事前の予想通り)書いてて訳がわからなくなってきているので、芸がないとは思うがひとつひとつアットランダムに書き出していく事にする。
まず最初のパート。
『I don't care about anything
どうでもいいって顔しながら
ずっとずっと 祈っていた
無い物ねだり
ちょっとやそっとで満足できない
だからkeep tryin'』
既に説明した構造は省略する。あれ、でも『ちょっとやそっとで』が直前の『ずっとずっと』を[-tto/-tto]で受けているが、メロディーは『どうでもいいって』の所と同じだから『そっとで』と『いいって』それぞれの語尾が[-te]と[-de]で合わせてる、って話したっけかな。まぁいいや、そうなのだ。同じメロディーの所で韻を踏むだけでなく、メロディーは異なるが隣接する節からも韻を受け継ぐという複雑な構成がヒカルの歌詞には頻出するのである。
例えば、『どうでもいいって顔しながら』までと『ちょっとやそっとで満足』までは同じメロディーだが、ここではそれぞれの前半では今述べたように『って』と『とで』で語尾を揃えてあるが『しながら』と『満足』は似ても似つかない。しかし。この『満足』のあとの『できない だから keep tryin'』の『だから』が『しながら』とばっちり韻を踏んでいるのだ。[da-ka-ra]と[shi-na-ga-ra]である。わざとだとはとても思えない。
何しろ、このパートには同じ構造がもう一つあるのだ。『無い物ねだり』の『無い』と『満足できない』の『ない』は全く同じ発音である。これも狙って構成したものだ。
どれ位確信的かといえば、2回目のサビを書き出してみれば瞭然だろう。
『I don't care about anything
ちょっと遅刻した朝も ここから
頑張ろうよ
何度でも期待するの
バカみたいなんかじゃない
だからkeep tryin'』
ここに於いても『ここから』と『だから』、『何度(なんど)でも』の『なん』と『なんかじゃない』の『なん』&『ない』は完全に揃いにかかっている。わかってもらえただろうか。
こんな調子で、まだまだまだまだ続きます。