無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

感覚と土地と空気。

春が来た。ヒカルがラジオだなんてな。

来週からラジオについては30回連続で連載してしまいそうな位私は喜んでいるので、焦って書く事はないだろう。放送が始まるまでに小康状態が来るだろうから、その時にでもゆっくりと。今回は素直に前回の続きだ。


コクトーツインズを好むヒカルに、人間活動中に是非実践して欲しいのは「音楽の生まれた場所に直接行ってみる事」、だ。それは、作曲者が寛いでいた湖畔のコテージでもいいし、片田舎に不似合いに建設された音楽スタジオでもいい、ロリーナ・マッケニットのファンなら一度はマラケシュに行ってみたくなるし、ツェッペリンファンがカシミールに行きたくない訳がない。ヒカルには、もっとそれをラジカルに実践して欲しい。例えば、コクトーツインズがレコーディングしたスタジオに直接行ってみる。歌ってみる。弾いてみる。電源を入れてみる。そこでしか生まれ得ない何かを感じとれるかもしれない。

感覚的なアプローチ、というのは説明が難しい。音楽自体が最も雄弁であり、ある意味音楽の相対的な価値を最大化するアプローチであるともいえる。何の代わりでもない何か。それ自身。それなら、生まれた場所に還ってみるしかない。

今ヒカルはロンドンに居る。いや、居たりする。コクトーツインズブルーナイルもスコットランドのバンドだ。目と鼻の先とは言わないが、ちょっとした旅行気分で行ける距離なのではないだろうか。そこでしか感じられない「音楽が生まれてくる感覚」を、是非じかに感じてみて欲しい。それは結局、「自分は独りじゃないんだ」と思い知らされる事となり、「だからこそ独りになって生み続けなくてはいけない」事をも思い知る事になるだろう。空気。音は空気の震えである。その場所の空気が震える事で掴めるものを掴みに掴んでアーティスト活動に復帰してみて欲しい。世界の広さは、自らの内側に導かれてこそ感じ取れるものなのだ――


――っていう続き方をする予定だったんですけど、来月からヒカルが(人間活動中に出会った?)音楽を紹介してくれるんですってね。よかった。